Nianticがゲーム事業売却を協議しているとの報道は2月の段階で出ていましたが、現実のものに。
位置情報ゲームアプリの開発・運営で知られる米Niantic(ナイアンティック)は2025年3月12日、事業再編策を発表。同社が開発・運営する『ポケモンGO』『ピクミンブルーム』『モンスターハンターNow』といったタイトル及び関連アプリ・サービス「Campfire」「Wayfarer」を、アメリカのモバイルゲーム会社 Scopely(スコープリー)に 35 億ドルで売却すると発表しました。
契約の中にはゲーム、アプリ、サービス、開発チーム全員が含まれており、これらゲームの開発・運営は今後、スコープリーの下で行われることになります。
スコープリーは人気の高い『モノポリーGO!』や『Stumble Guys』『Star Trek Fleet Command』『MARVEL Strike Force』などで知られています。
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Niantic が『ポケモンGO』などを売却
『ポケモンGO』などを売却し、残る Niantic は何をするのかというと、新会社 Niantic Spatial Inc. が設立。この新法人では人間や機械が物理的な現実世界をより深く理解し、その情報を便利に使える仕組みを作り、ジオスペーシャルAIの未来を牽引していくことを目指しているとしています。
長期目標として、人や機械が物理的な世界を理解し、相互に働きかけるための「大規模ジオスペーシャルモデル(Large Geospatial Model)= 世界モデル」を構築することを掲げています。
また『Ingress Prime』や『Peridot』などの現実世界を舞台にしたARゲームは引き続き Niantic で運営しくとしています。
再編に伴い既存の株主は Niantic から38.5億ドルを受け取ります。任天堂も対象企業のひとつ。
今後の開発・運営はどうなるの?
ユーザーとしては遊んでいるゲームアプリの今後が気になるところ。買収完了後、Niantic の開発チームは、⻑年リーダーを努めているエド・ウー⽒と河合敬⼀⽒ のリーダーシップのもと、スコープリーで各アプリやライブイベントの開発と運営を継続します。
スコープリーは買収完了後の同社の役割を、開発チームが描くロードマップを追求できるよう必要なリソースとサポートを提供し、ユーザーの皆さんが大好きなゲームをさらに楽しんでもらえるようにすることだと説明します。
Niantic のジョン・ハンケCEOは次のように述べています。
「Niantic のゲームは常に、人々をつなぎ、現実世界を舞台にした冒険を促す架け橋となってきました。スコープリーの一員として、この役割を今後も果たし続けてくれると確信しています。スコープリーは、素晴らしいライブサービスの構築や運営に力を入れるとともに、世界で最も大きく、最も愛されている知的財産 (IP) を扱うタイトルを多数手がけ、プレイヤーコミュニティとゲーム制作チームをとても大切にしています。このパートナーシップは、プレイヤーのみなさんにとって素晴らしいものであり、「永く愛されるゲーム(forever games)」を創り続けるために必要な、長期的なサポートと投資を確保するためのベストな方策であると確信しています。」
『Pokémon GO』担当上級副社長 (SVP) であるエド・ウー氏は次のように述べています。
「この10年、現実世界を舞台として何億人ものトレーナーのみなさん にサービスを提供できたことは、信じられないほどの喜びでした。そして、最高の瞬間はまだこれから起きるのだと心から信じています。私たちの使命は明確です。それは、現実世界でポケモンを見つけるという冒険を共有すること。スコープリーの全面的なコミットメント、経験、リソースにより、ライブイベントで同時に何千人ものトレーナーが参加する素晴らしいバトルから、友達やコミュニティとの新しいつながりかたまで、『Pokémon GO』を最高の形へと更に進化させていきたいと思います。もちろん、現実世界ですべてのポケモンを集めるというワクワク感をいつもなによりも大切にしたいと考えています。
各アプリのハイライト
リリースの中では『ポケモンGO』が未だに強烈なインパクトを残しているなど、興味深いハイライトも提供されています。『ピクミン ブルーム』が育っているのも嬉しいところ。日本ではピクミン自体のキャラクター人気も高まっています。
ポケモンGO
『ポケモンGO』はいまだに週間アクティブプレイヤー数が2,000万人以上を記録。2016年のリリース以来、毎年モバイルゲームのトップ10にランクインしています。
プレイヤーはこれまでに480億キロメートル(300億マイル)以上を探索。
世界190以上の国と地域で愛されており、1日の平均プレイ時間は40分。全プレイヤーの約半数が、毎日ゲームをプレイしている。
ライブイベントも好評を博しており、2024年は『Pokémon GO Fest』のチケットは 200万枚を販売。参加者は取り組み開始以来、合計で 1 億 5,000 万匹以上のポケモンをゲットした。
ピクミンブルーム
2021年に配信開始された『ピクミンブルーム』は、リリースから3年以上が経った2024年に過去最高のアクティブプレイヤー数を記録。2024年の総歩数は地球7,900周分となる3兆9,400億歩を達成するなど、記録を更新する1年となった。
また日本・ドイツ・台湾・米国などで対面イベントを開催。東京開催の『ピクミンブルーム ジャーニー』では1万人以上が参加した。
モンスターハンターNow
2023年配信開始の『モンスターハンターNow』は日本を中心に人気。
配信から7か月で1,500万ダウンロードを突破し、2024年10月には東京渋谷で初のリアルイベントを開催。2万人近くが参加した。
ユーザーの半数以上が毎日プレイするなど非常に熱心なプレイヤーコミュニティで知られている。
「Campfire」と「Wayfarer」
2つは現実世界を舞台としたゲーム体験を更に楽しむためのソーシャルコンパニオンアプリとサービスです。
「Campfire」は、現実世界のゲームプレイのためにローカルプレイヤーコミュニティを結びつけ、現実世界での友情を育みます。2024年だけで、600万人以上が「Campfire」を通じて対面でのミートアップに参加しました。
「Wayfarer」は、プレイヤーがお気に入りの Niantic ゲームに、新しい居場所を加えることで、ゲームにおける体験づくりに主体的に参加することができます。 2019年の開始以来1,150万件以上の場所がゲーム世界に組み込まれました。