モノリスソフトは将来を見据えゼノブレイドエンジンを拡張した自社ゲームエンジンを開発中


 

『ゼノブレイド』シリーズの開発などで知られる、任天堂子会社のモノリスソフト。R&D専門部門(Research and Development、研究開発)を立ち上げ、現在は内製エンジンの開発に取り組んでいるといいます。

CGWORLDのインタビューで、モノリスソフトの取締役で現在はR&Dチームの統括も担当している高橋哲哉氏と、プログラマーでR&Dチームのプロデューサーとディレクターを兼務しているという稲葉道彦氏が、モノリスソフトが現在手がけている内容や今後の戦略について語っています。

高橋氏によると開発規模が大規模化し開発に対する要求が上がるにつれ、比較的小規模な開発スタジオであるモノリスソフトの人員数では対応が難しくなってきました。人海戦術ではなく「技術的な側面からアプローチして開発の工数を減らしたり、効率化したりするための組織づくりが必要」であるとの考えにいたり、社内R&Dチームを立ち上げました。

R&Dチームが担う役割は大きく3点。「会社全体の開発環境の効率化」「各セクション向けのツール開発支援」「新しい技術の研究開発」です。そして取り組んでいる研究開発は大きく3点「内製の描画エンジンの開発サポート、エフェクトエンジンの開発」「アニメーションの開発・研究」「デザイナー向けのツール開発」が挙げられています。

開発中のモノリスソフト内製エンジンはもともと 2010 年の『ゼノブレイド』向けに開発されたものがベースとなっています。それを現在も拡張している状況とのこと。稲葉氏によると将来的には、サポートや共同開発などで開発した技術を内製エンジンとして統合し、他のタイトルでも活用できるようにしたい考え。R&Dチームは発足してまだ1年程ほど。今後3年くらいをかけて徐々に体制を移行していく予定だといいます。

高橋氏によれば、内製エンジンの開発やメンテナンスは難しさをともなうにもかかわらず、モノリスソフトのタイトル開発では「他社製エンジンの選択肢は現時点ではありません」。内製エンジンの方がニーズに合わせてカスタマイズしやすく、扱いやすいというのが理由だそう。

稲葉氏によるとR&チームはタイトル開発セクションと密に連携しながら課題解決に取り組んでいるといいます。ただ最大の課題は人手不足。さらに植野クオリティを目指すために、描画関連の開発が好きな方や内製エンジンの開発に興味のある方にぜひ新たに加わっていただきたいと稲葉氏はコメントしています。

モノリスソフトは『ゼノブレイド』シリーズなど自分たちのタイトル開発だけでなく、親会社である任天堂タイトルの開発もサポート。『あつまれ どうぶつの森』や『スプラトゥーン3』『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザキングダム』などのタイトルにも携わっています。

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