任天堂は 2024 年 2 月 6 日にオンラインでおこなった 2024 年 3 月期第 3 四半期決算説明会における質疑応答の要旨を公開。Nintendo Switch から将来的に登場する後継プラットフォームへユーザーを移行させるために、ニンテンドーアカウントを活用していく考えを改めて強調しています。
「過去のプラットフォームと Nintendo Switch とでハードウェアのライフサイクルに対する考え方が変わっているのではないか」また「次世代機の研究を進める中で何を重視しているのか」という質問に対し古川俊太郎社長はまず、スイッチと過去プラットフォームとの大きな違いとして、携帯型ゲーム機と据置型ゲーム機という 2 つのプラットフォームを 1 つに統合したことを挙げます。1 つに統合されたことにより、ソフトウェアの開発リソースをスイッチに集中することができるようになりました。
これにより継続的に新作ソフトを投入することが可能となり、結果として過去と比べ息の長いライフサイクルにつながっていると説明します。
2つ目の質問、重視していることについて。古川社長は、任天堂が一番大切にしていることは「任天堂らしい新しい面白さ、驚きを持った娯楽を提供していくこと」であると述べます。この考えは古川社長以前から一貫しています。
任天堂独自のユニークな娯楽の提案を続けるうえで、現時点ではハード・ソフト一体型のゲーム専用機ビジネスが最適だと考えており、その方針のもとでこれからも研究開発に取り組んでいくと説明します。ちなみに 2024 年 3 月期の研究開発費は期初予想から 100 億円増加して 1300 億円程度となる見通し。任天堂の研究開発費はスイッチ以降徐々に増加傾向にありますが、1300 億円は過去最大です。
もうひとつ過去のプラットフォームと異なっている点として古川社長は「ニンテンドーアカウント」を挙げます。ニンテンドーアカウントのはじまりはスイッチより少し前。そこから時間をかけて普及につとめてきました。古川社長によると「ニンテンドーアカウントはお客様と長くつながり続けるための重要な接点」であるといい、ハード移行の際に活用できるだけでなく、しばらくゲームから離れている顧客が任天堂の提案に再度興味を持ったときに、再びつながれる手段としても重要だと述べています。その意味でも、ニンテンドーアカウントが大切であるとの考えは今後も変わらないという考え。
Nintendo Switchを発売して以降、ハードウェアのライフサイクルに対する任天堂の考え方が変わっていると思う。過去のプラットフォームとの違いと、次世代機の研究開発を進める中で何を重視しているのかについて教えてほしい。
古川: Nintendo Switchと過去のプラットフォームとの大きな違いは、これまでの携帯型ゲーム機と据置型ゲーム機という2つのプラットフォームを1つに統合したことです。それによって、ソフトウェアの開発リソースをNintendo Switchに集中することが可能となりました。継続的に新作ソフトを発売できていることが、結果として過去と比べて長いライフサイクルにつながっています。 将来に向けて私たちが一番大切にしているのは、任天堂らしい新しい面白さ、驚きを持った娯楽を提供していくことです。任天堂独自のユニークな娯楽の提案を続けるうえで、現時点ではハード・ソフト一体型のゲーム専用機ビジネスが最適と考えており、その方針のもとでこれからも研究開発に取り組んでいきます。 また、もうひとつ過去のプラットフォームと違う点として、Nintendo Switch発売前からディー・エヌ・エー様との協業によって、ニンテンドーアカウントの普及に努めてきたことがあります。ニンテンドーアカウントはお客様と長くつながり続けるための重要な接点であり、ハードウェアの移行の際に活用できるだけではなく、しばらくゲームから離れてしまったお客様が何らかのタイミングで任天堂のユニークな娯楽の提案にご興味を持っていただけた際に、お客様と再びつながるための手段としても重要だと考えています。その観点において、ニンテンドーアカウントが大切であるということは今後も変わらないと考えています。
2024年3月期 第3四半期決算説明会(オンライン) 質疑応答(要旨)