任天堂の古川俊太郎 社長は2022年11月9日に開かれた 2023 年 3 月期 第 2 四半期決算説明会/経営方針説明会において、主力の家庭用ゲーム機「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」の値上げをする予定は現時点ではないと述べました。
円安の進行を理由としてハードウェアの価格変更を検討しているかという質問に対する回答。
古川社長は6月にもスイッチの価格変更は現時点で予定にないと答えていました。
また他社が値上げを実施した8月も、任天堂は「値上げの予定はない」と改めて回答しています。そこからさらに円安が進み、加えて資源高となっている中でも、販売価格は維持されます。
円安の影響で国内の採算性が低下
2022年1月には1ドル115円台だったドル円相場は、10月に入り一時150円台をつける約32年ぶりの円安水準となりました。その後やや円高に触れて145円台から146円台といったところですが、それでも大幅な円安といえる水準が続いています。2022年5月時点で任天堂が想定していた2023年3月期の為替レートは1ドル115円、1ユーロ125円でした。
現時点でスイッチの値上げ予定はないとする任天堂。ですが「想定を上回る規模と期間で円安が続いているため、今後も状況を注視しながら、慎重に検討していきたい」と古川社長。また大幅な円安が長期間続いていることで、「特に日本においてはハードウェアの採算性が低下していることは事実」だとしています。
任天堂は自社で生産工場を持たず、外部の生産パートナーに製品生産を委託するファブレス企業。生産拠点は海外にあり、売上高全体に占める割合は海外からが 7 割を超えているとはいえ、国内市場に目を向けたときに、任天堂にとって今回の円安はメリットばかりでもないようです。