2022年8月25日、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)から一部の国・地域における PlayStation 5 の販売価格見直し(値上げ)が発表されました。世界で起きている急激な物価上昇や“好ましくない”為替動向、社会不安など困難な経済情勢の影響を受けてのやむを得ない決定ではあるものの、発売中のゲーム機の値上げは異例。
ハードウェアの販売価格を見直すメーカーが現れたことで、ゲーム業界の競合他社はどう動くのでしょうか。
現時点でニンテンドースイッチの値上げ予定はありません
任天堂は 2022 年 6 月の株主総会時点での話として「各国におけるインフレや調達コストの増加を受けて、ハードウェアの価格を変更する予定はない」と回答。ただし「今後の価格戦略については、慎重な検討を重ねて判断していく」としていました。
ソニーが動いたことで、任天堂も主力のゲーム機 Nintendo Switch の販売価格を改定するのではないか?との見方も出てくる中、任天堂は改めて値上げを否定しています。担当者のコメントは次のとおりです。
「消費者に対する最終的な販売価格は小売業者が判断することになりますが、弊社社長の古川が述べているように、任天堂としてはハードウェアの販売価格を引き上げる計画はありません」
マイクロソフトもXboxの価格を維持
マイクロソフトもまた、同社が展開する Xbox Series X|S の販売価格について、値上げの予定はなく、現行の価格を維持すると表明しています。
PlayStation 5 は2022年9月15日より、日本円で 5,500 円値上げ(ディスクドライブ搭載版、デジタル・エディションのいずれも)が実施。イギリスでは 30 英ポンド、ヨーロッパでは 50 ユーロの値上げとなります。中国やオーストラリア、メキシコ、カナダでも値上げが実施され、SIE によると現時点で発表のないEMEA(欧州、中東、アフリカ)、APAC(アジア太平洋)およびLATAM(ラテンアメリカ)の一部の国・地域においても価格の改定を実施する場合があります。
多くの国・地域で値上げとなる PS5 ですが、最大市場であるアメリカでは今回の価格改定の影響を受けません。そのため、サプライチェーンの混乱やインフレの影響等はもちろんあるにせよ、それよりも為替コストの影響が大きいのではないかと見られています。