セガサミーホールディングスが2022年に発売予定の『ソニック』シリーズ最新作『SONIC FRONTIERS ソニックフロンティア』。2017年の『ソニックフォース』以来の完全新作ですが、当初はやはり、2021年の発売が計画されていたことが「セガサミーマネジメントミーティング 2021」の中で明らかになりました。
2021年はソニック30周年の節目だったわけですが、セガはこの節目の年に間に合わせることよりも、クオリティに妥協せず、品質により磨きをかけることを優先。そのためリリースの 1 年延期が決定されました。
品質優先の開発で IP の価値を高く保つ
セガによるとソニックに限らず、開発段階において外部評価に基づくテストなどが導入されるなど、リリース前のタイトルクオリティアップに向けた分析も着実に実施されているのだとか。良いゲームになりそうな手応えを感じているということで、発売時点から高いクオリティに仕上がっていることが期待されます。
販売本数に関しても、久しぶりに登場するソニックシリーズの完全新作であることや、内容面での充実、またグローバルでのマルチプラットフォーム展開を行うことから、前作『SONIC FORCES』の初年度の販売以上、累計ではさらに飛躍することが期待されています。
リピート販売時の価格戦略についても、早い段階で安易に値段を下げて販売本数を追うのではなく、IP 価値を維持していくことで、価格も維持して行くことが重要だと考えているとのこと。
ソニック IP のマネタイズ強化についても質問が出ていました。収益への貢献度という部分において、セガは原点であるゲームを中心と捉え、グローバル × マルチプラットフォームで大型新作を出す戦略を進めていくと回答。
その上で、もちろん他メディアも活用します。
ソニックは映画の大ヒットが記憶に新しいですが、劇場での公開が終了した後に動画配信サービスでも展開され、リーチした視聴者数が大きく増加しました。またモバイルその他で展開しているビジネスも含めた場合には、数億人規模にリーチできる IP になっていると分析。
映画の影響として親子 2 世代で楽しむなど、世代を超えて親しまれるフランチャイズになっているとの認識も。そのため、このタイミングでクオリティの高い良質なゲームをリリースすることが重要であると考えているそうです。
ゲーム以外での展開については、信頼できる、かつ質の良い製品・サービスを出してくれるパートナーときちんと組んでいくことが大前提であると考えているとのこと。
マーチャンダイジング等のライセンスビジネスを見ると、小売販売価格ベースではすでに数百億円規模に伸びているのだとか。特に欧米で人気。一方で、日本を含むアジアではまだ苦戦してます。
ソニック以外のセガ/アトラス IP 飛躍の可能性
ソニック以外に、まだポテンシャルを秘めているセガ/アトラス IP はまだあるでしょうか。セガによるとペルソナやプロジェクトセカイといった IP は、ライセンスやマーチャンダイズの面で多くのオファーがあるそうです。ただしソニックと同じような規模、世界の数億人にリーチできる IP への成長とまでは考えていないとのこと。
他の IP の例では、リメイク版が発売されている『スーパーモンキーボール』は、過去 App Store でリリースしたものが数百万ダウンロードを記録するなど、特に米国で非常に人気が高く、映像やマーチャンダイズ展開も考えられるということです。
過去 IP、休眠 IP の復活も
またソニック映画の成功を受けて、過去 IP の映像化やリメイクのオファーが非常に増えているとも。セガは休眠 IP の活用を最近の戦略のひとつ掲げていますが、他パートナーと組んで進めることを含め、休眠 IP 復活の流れを活性化させていくことを検討しているとしています。