2009年にWiiで発売されたUbisoftの『Just Dance』。Wiiリモコンを手に持ち、画面に映るダンサーを手本にして踊るだけで誰もが楽しめる、Wiiとマッチしたダンスゲームです。大ヒットを記録した『Just Dance』はその後、シリーズ化され様々なハードで展開。誕生から10周年の2019年は、最新作『Just Dance 2020』が登場します。
対応プラットフォームはNintendo Switch / PlayStation 4 / Xbox Oneなどの現行ハード。前世代のWii U / PlayStation 3 / Xbox 360 は対応から外れました。しかしさらにその前の世代、原点であるWiiには対応しています。
Ubisoftはなぜ、すでに生産終了となっているWiiへの対応を続けているのでしょうか。
Ubisoftの担当者は海外メディアPolygonに対して、『Just Dance』がWiiに対応し続けている理由を「我々のオーディエンスがそれを求めているからだ」と語っています。
「『Just Dance』プレイヤーの多くは、Wiiで遊び続けている子どもたちや家族なんです」
とUbisoftは説明。
『Just Dance』をWiiで遊びたいという小さくない需要があり、Ubisoftはその想いに応えているというシンプルな構図です。『Just Dance』に関しては今なおWiiでビジネスが成立すると。
『Just Dance』は多くのリハビリ施設に導入されいて、高齢者や入院患者が筋力の維持や向上に利用することができるそうです。それら施設で導入されているハードにはWiiが多いことから、未だにWiiへ対応しているのではないか?との声もありました。しかしUbisoftの説明によると、Wiiへ対応する理由としては正しくありません。
とはいえ、ネットコミュニティの推測が、大きくハズレているわけではないようです。
Ubisoftは長年にわたり、ゲーム機本体や『Just Dance』ソフトを小児病院へ寄付し、子どもたちのリハビリや運動、あるいは単に楽しむなどして笑顔になってもらうことを目的とした支援活動を行っています。
しかしながら、病院や施設へ提供することを目的にWii版を制作し続けているわけではなく、Wiiで遊ぶ『Just Dance』ユーザーがまだ多くいて、彼らがWiiでの発売を望んでいるからだというのが公式な理由となっています。
Wiiと第7世代(PS3/Xbox 360/Wii U)の売上がUbisoft全体の売上高に占める割合は、わずか2%(2019年3月期)。しかしそこには大事な顧客がまだ残っています。