任天堂、スイッチ向けに隠し弾あり?「商戦期の商品を含め、まだ全てのラインナップを発表する段階でない」


大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL (Super Smash Bros. Ultimate) - SS

 

E3 2018では『大乱闘スマッシュブラザーズ』や『ポケットモンスター Let’s GO! ピカチュウ / Let’s GO! イーブイ』に発表内容が集中し、またニンテンドースイッチ本体の勢いが落ち着いてきたとの報道も合わさって株価の下落を招いている任天堂。4万円を超えていた株価はこのところ3万6000円前後での推移となっています。

ただ任天堂はニンテンドーダイレクトなど自分たちで直接情報を発信できる手段を持っていることもあり、E3 段階で2018年内の手の内をすべて明かしたわけではないようです。

古川新社長へ交代したので今となっては前社長ですが、株主総会で君島達己社長は足下のスイッチの売れ行きについて、ソフトラインナップ(そして注目作の発売タイミング)の違いから、前期とはハードの売れ方が若干異なる認識であるとコメント。

単純に第1四半期(4−6月)のハード販売台数を前期と比較した場合には、今期は多少見劣りするかもしれないとして、ローンチ直後のハードが品薄な状況でありながら、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の勢いや『マリオカート8 デラックス』『ARMS』等のヒットがあった昨年のほうが勢いがあったことを認めています。

ただし、こうした状況は予期していたことであり、2019年3月期全体のソフトラインナップを考えると、想定内の推移であるとしています。また君島社長はスイッチ本体の生産体制に関して、2,000万台の販売計画を達成するための生産量の確保は問題ないともコメントしています。

E3では任天堂からの新作発表が少なかったことで、過去に経験したようなソフト開発の遅れや、任天堂ソフトが普及のキモであるハード販売の減速も懸念されています。そうした不安心理から株価はE3発表後から2日間で約5,000円下落しました。

これについて君島社長は「適切なタイミングでお客様に情報発信ができるように鋭意準備を進めている」とコメント。「商戦期に発売する商品を含めて、本⽇はまだ、全てのラインアップを発表する段階ではありません」として、2018年内に予定されているソフトラインナップは、現在明らかになっているものにとどまらないことを強調します(ファーストかサードなのかは不明ですけれど)。

4月以降に任天堂が発売したスイッチ向け新作は、4月の『Nintendo Labo』と6月の『マリオテニス エース』の2本(5月の『ドンキーコング トロピカルフリーズ』はWii Uからの移植)。下半期に予定されているのは7月の『進め!キノピオ隊長』(これもWii Uからの移植)以降、10月まで空いて『スーパー マリオパーティ』、11月に『ポケットモンスター Let’s Go! ピカチュウ / Let’s Go! イーブイ』、そして12月に『⼤乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』となっています。

  • 4月:Nintendo Labo
  • 5月:ドンキーコング トロピカルフリーズ (Wii U 移植)
  • 6月:マリオテニス エース
  • 7月:進め!キノピオ隊長 (Wii U 移植)
  • 8月:
  • 9月:
  • 10月:スーパー マリオパーティ
  • 11月:ポケットモンスター Let’s Go! ピカチュウ・Let’s Go! イーブイ
  • 12月:⼤乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL

ポケモンとスマブラは非常に強力ですが、それまでほぼ半年間、任天堂からのリリースが空きます。スイッチは任天堂以外のメーカーのサポートもあるとはいえ、他社との違いを生み出しているのはやはり任天堂ソフトによるところが大きく、リリース間隔が空いて勢いを失うと再活性化に苦労した過去の失敗が頭をよぎります。

君島社長は、今期発売したタイトルやすでに公表している年末のタイトル(マリパ、ポケモン、スマブラ)と、前期以前に発売した人気タイトルも加えた強⼒なラインアップで、最⼤の商戦期である年末商戦に向けて、Nintendo Switch の勢いの維持拡⼤を⽬指すとコメント。

「よりくわしい情報は、今後お客様にお届けできると思います」と続け、然るべきタイミングでまだ伏せているタイトルの発表を行ったり、プロモーションを仕掛けていく考えを明らかにしました。

Q12:E3 ショウについて、経営陣は⾮常に良い評価をしているが、株価はその 2 ⽇間で約 5,000 円下落している。当期の主要タイトルは全て秋⼝から年末商戦期にかけての発売ということだが、注⽬されるソフトを継続して発売することはできないのか。

A12 君島:
私たちは適切なタイミングでお客様に情報発信ができるように鋭意準備を進めています。商戦期に発売する商品を含めて、本⽇はまだ、全てのラインアップを発表する段階ではありません。
Nintendo Switch の発売 2 年⽬となる当期は 2,000 万台の販売を⽬指し、4 ⽉に『Nintendo Labo』、5⽉に『ドンキーコング トロピカルフリーズ』、そして 6 ⽉ 22 ⽇には『マリオテニス エース』といった⾃社ソフトを発売しました。また、年末商戦に向けては 10 ⽉ 5 ⽇に『スーパー マリオパーティ』、11 ⽉ 16 ⽇に『ポケットモンスター Let’s Go! ピカチュウ・Let’s Go! イーブイ』、12 ⽉ 7 ⽇には『⼤乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』の発売を予定しています。

前期以前に発売済みの⼈気タイトルも加えた強⼒なラインアップで、最⼤の商戦期である年末商戦に向けて、Nintendo Switchの勢いの維持拡⼤を⽬指します。よりくわしい情報は、今後お客様にお届けできると思います。

via: 第78期 定時株主総会質疑応答 (.pdf 366KB)

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