フランスやドイツ、イタリア、スペインなど、欧州ゲーム市場において高いシェアを持つ複数の国で記録的な売り上げを見せていた、2017年3月に発売された任天堂の家庭用ゲーム機「Nintendo Switch (ニンテンドースイッチ)」。欧州ゲーム市場の一角を占めるイギリスでは、これまで累計販売台数が報告されていませんでしたが、何も不調というわけではありませんでした。これまでに70万台強を販売していたことが GamesIndustry.biz のレポートにて明らかになりました。
ニンテンドースイッチ、英国においてすでに「Wii U」の累計を上回る売上
これまでニンテンドースイッチ本体の販売推移が報告されていなかったイギリス市場ですが、他の国と同じように好調な2017年を過ごしていました。報告によると、スイッチ本体はこれまでに70万台以上を販売。1年かからずに同国内における前世代機「Wii U」の累計販売台数を上回っているのだそう。
ソフトの売上も悪くなく、GfKから発表されている週間UKチャートに未だ上位に入っている『マリオカート8 デラックス』や『スーパーマリオ オデッセイ』『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』といった定番3大タイトルは、発売から48週の間に合計で100万本以上のセールスを達成しています。
しかし好調な売上に反して、任天堂UKは大々的な発表を控えていました。というのも、イギリス国内におけるスイッチのパフォーマンスは、過去ハードが達成した記録を更新するものではありませんでした。
イギリスにおいて最も普及速度が速かったゲーム機は、任天堂が2006年に発売を開始した「Wii」で、わずか38週で累計100万台のマイルストーンを突破。2番手は2013年に発売されたソニーの PlayStation 4 で、こちらは42週間で100万台を達成しています。その他ニンテンドーDSは45週、PlayStation 3 は46週、PlayStation 2 は50週で節目に到達しています。
ただ歴史的に任天堂ブランドが弱いイギリス国内において、Wii や DS といった例外的な売れ行きを見せたハードを除けば、スイッチは Wii U の不振から立ち直り、280ポンドという競合他社のハードと比較して割高な価格ながらよく売れています。
単純に数字だけを見れば、イギリスの70万台という数字は、欧州において90万台以上を販売しているフランスの次に売れています。かつて Wii と DS が見せたように、主流の顧客に刺さるより幅広いカテゴリーの製品を提案することができれば、スイッチの販売動向もさらに上向いていきそうです。
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