ブルームバーグは、これまで据置型ゲーム機と携帯型ゲーム機の2本柱だった任天堂のゲーム専用機事業の収益構造が、新型ゲーム機「Nintendo Switch (ニンテンドースイッチ) 」によって統合され、ゲームボーイ以前のように再び単一のプラットフォームに戻る可能性を指摘しています。

Switch に統合は、過去30年の歴史の中で「最大の進化」

任天堂は、現行携帯型ゲーム機である「ニンテンドー3DS」の販売を、まだしばらくは続けていく方針を明らかにしています。据置機と携帯機のすみ分けについても「両方にできるだけさまざまな遊び方をご提供していきたい」と語っていました。

ところが、任天堂は17年3月期の決算より、据置・携帯型別の売上高発表をやめ、プラットフォーム別に切り替えています。

マッコーリーグループのアナリスト、デビッド・ギブソン氏は「任天堂の “スイッチ一本足打法” はどんな場所でもゲームをしたい愛好家のニーズに応えたものだ」と指摘。

「今後数年で3DSがなくなった後は、スイッチが唯一のプラットホームになっていくだろう」と予測しており、「これは任天堂にとって、過去30年間の歴史の中で最大の進化だ」とコメントしています。

こうした“任天堂は、据置・携帯の2本柱からスイッチ1本に軸足を移していくのでは?”との見方に対して、任天堂の広報担当者はこれを否定せず、君島社長が株主総会で説明したとおり(両方にできるだけさまざまな遊び方をご提供していきたい)だと回答。また決算で据置・携帯の各データの開示をやめたことについては、スイッチ投入を契機に変更したとしています。

ニンテンドースイッチは、3月の発売から月末までに目標の200万台を上回る世界274万台を販売。任天堂は今期1000万台の出荷目標を立てていますが、スイッチは4月以降も高い需要に供給が追いつかない人気が続いており、任天堂は生産体制の強化を進めています。ブルームバーグ集計によると、アナリスト予想では300万台超過の1300万台に達すると見られています。

Wii 以来の、年度ソフト販売1億本へ

本体の普及が急速に進むことで、ソフトの販売予想も上ブレ。アナリストらはスイッチ用ソフトの拡充は、少なくとも過去10年で最も期待できそうだとして、来期(18年4月〜19年3月)のソフト販売本数見込みを2ヵ月前の7400万本から1億1200万本に引き上げています。

もしアナリスト予想通りに1億本を達成できれば、2012年3月期の Wii 以来の大台到達。縮小傾向だった任天堂のゲーム専用機ビジネスが再び上向くことを意味します。

本体に6.2インチのタッチスクリーンを備えるニンテンドースイッチは、大画面テレビなどについないで遊ぶ従来の据置型ゲーム機のようなプレイスタイルに加えて、野外へ持ち出して携帯型ゲーム機のように楽しめることを特長としています。一家に1台から1人1台の需要があるとの見方もあり、携帯機としての需要を取り込むことができれば、販売単価の高さから従来の携帯機以上に売上高、利益に貢献する可能性を秘めています。

スマホがもう1つの柱に

別のアナリストは、任天堂のスマホゲーム事業強化の必要性を指摘。スマホ向けタイトルは「スイッチと味の違うソフトを出せる」ため、スマホ事業が成長することで「ある意味2つのプラットホーム」を手にできるとしています。

任天堂は前期にスマホゲーム市場に参入。17年3月期の、ロイヤリティ収入等も含めた「スマートデバイス・IP関連収入等」の売上高は242億円(前年同期比+323%)で、全体の売上高に占める割合はまだ大きくありません。任天堂は継続的に年2〜3タイトルをリリースし、ゲーム専用機へ新規ユーザーを呼び込むとともに、スマホ関連でもビジネス拡大を目指しています。

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