3月発売の、持ち運び可能なハイブリッド据置型ゲーム機 Nintendo Switch が世界的に好調な販売を続ける中、任天堂は携帯型ゲーム機ニンテンドー3DSシリーズの新モデル「Newニンテンドー2DS LL」を7月に発売すると発表。
立体視を省いた安価なエントリーモデルとしての 2DS の位置付けはそのままに、New3DS 系統の新機能を盛り込んだモデルです。
任天堂アメリカの COO である Reggie Fils-Aimé 氏(レジー社長)は、海外メディアとのインタビューの中で、3DS が任天堂にとって非常に重要なプラットフォームであることを強調。New2DS LL は 3DS シリーズの主要な追加製品であり、2017年だけでなく、2018年にかけても携帯機ビジネスを継続していく考えを述べています。
レジー社長は 3DS プラットフォームについて、任天堂の持つ偉大なフランチャイズを活用したタイトルを、これからも提案していくとコメント。
Nintendo Switch との関係については、両者には処理能力の面で明らかな違いがあると指摘し、たとえば『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は 3DS では体験できないものである一方で、3DSならではの2画面や立体視といった強みも存在。3DS 向けに開発されたソフトでの体験は 3DS ならではのものであると説明します。
「2つのプラットフォームの強みを活かしたソフトを提案して続けることで、双方のインストールベースを拡大していくことができると考えています。ひいてはそれが、任天堂全体のビジネスを推進していくことにもなります。それが任天堂の考えているものです」
任天堂はニンテンドー3DSシリーズを、大画面化した 3DS LL や立体視を省いた 2DS、NFC 等の新機能を追加した New3DS / New3DS LL と、複数モデルを投入しながら勢いを維持してきました。
ソフト面では『スーパーマリオ』や『ゼルダの伝説』『どうぶつの森』『ポケットモンスター』など人気キャラクターの新作を、3DS の特徴を活かした要素を含めた形で発売してハードの魅力周知に務め、普及を推進してきました。
3DSは2011年2月のローンチから6年を経過した2017年3月末までに、ハード6612万台が普及。ソフト販売数は3億2925万本。
モバイルゲーム『ポケモンGO』の勢いが良い向きに作用した2017年3月期(16年4月〜17年3月)は、ハード販売台数が前期比で7%プラスとなる727万台、ソフト販売本数は14%プラスの5508万本となりました。任天堂は2018年3月期(17年4月〜18年3月)、3DSをハード600万台/ソフト4000万本を販売する計画。
18年3月までに発売予定の主なタイトルは、任天堂からは『ファイアーエムブレム Echoes もうひとりの英雄王』や『Ever Oasis 精霊とタネビトの蜃気楼』『Hey!ピクミン』『カービィ 新作(対戦アクション)』など。サードパーティからは『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』『スナックワールド トレジャラーズ』などのタイトルが控えています。
『ポケットモンスター サン・ムーン』や Nintendo Switch / Wii U の『ゼルダの伝説 BotW』に匹敵する世界的ヒットを見込めるビッグネームはまだ見えてこないものの、任天堂は6月の E3 2017 で Switch / 3DS の大規模な出展を予告しています。Switch だけでなく、3DS ソフトも注目のイベントとなるかもしれません。
新モデルが発売されるとはいえ、「ニンテンドー3DS」シリーズはハード発売から6年が経過して、すでに7年目に入っています。これまでのゲームハードを鑑みると、ライフサイクルの終盤に差し掛かっていることは間違いありませんが、まだ暫くは新作ソフトで楽しむことができそうです。