Nintendo Switch / Wii U 用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の舞台ハイラルが、任天堂のある京都の街をベースに構築されていることが改めて語られています。
『BotW』と京都の関係は、2014年に本作が発表された当時、総合プロデューサーの青沼英二氏もベースになっているとコメントしています。開発を終えた今回はディレクターの藤林秀麿氏から、実際の京都の街が最新作のハイラルを作る上で役立ったことが明かされました。
ゲームの開発が始まった当初、何もない状態のフィールドに立つリンクを動かして、どのように密度あるハイラルを構築していくかを考える上で、自分の故郷である京都が参考になったと藤林氏。
ゲーム世界に京都の地図を重ね、現実の京都をイメージしながら、たとえばA地点からB地点まで行くには時間がかかるけれど、それをどのようにゲームへ落とし込もうかなど距離感を考えながら、『BotW』のハイラル作りが始まったといいます。
京都の街に神社や仏閣など多くの観光スポットが存在しているように、『BotW』の広大なハイラルにも村だけでなく、点在するいくつもの祠や魔物の住処など、多くの探索要素が散りばめられています。
アートディレクターの滝澤智氏によると、ハイラルに京都を重ねるこの構造によって、開発も楽になったそうです。というのも、ある有名スポットから別の有名スポットへ行くとして、かなり時間がかかることになっても、京都の土地勘が頭にあることで距離感を容易に理解でき、ゲームのマップへどう落とし込むかが想像しやすくなりました。
任天堂本社が京都にあることで、このアイデアは開発者個人だけでなくプロジェクト全体を通しても有効に機能。たとえば、ゲーム内の現在地点から次の塔までの距離を考えるときであっても、共通認識としてある京都の2点間で例えることができるため、チームスタッフ同士の意思疎通がスムーズかつ素早く行えるようになりました。
任天堂のソフト開発には、たびたび京都がアイデアの元として登場しています(『スターフォックス』と伏見稲荷や『ゼルダの伝説 時のオカリナ』のZ注目と太秦映画村など)。今回は、京都の街そのものがハイラルの下地になっていました。両者の関係を想像しながら遊ぶと、それぞれにまた違った発見があるかもしれません。
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