NPDグループから2015年11月期のマンスリーレポートが発表され、本格的な年末商戦が幕を開けた11月の米小売市場の規模は、前年比2%増の24億7000万ドルとなったことが明らかになりました。
Contents
ハード:PS4やXbox Oneが発売以来最大のセールスを記録
PS4やXbox Oneが発売以来最高の売上を見せたハードウェア市場は、前年比11%アップの11億2000万ドルを販売。Wii Uも含めた第8世代全体コンソール(据置型ゲーム機)のセールスも、2014年12月を抜いて過去最高となりました。据置型が14%伸びたのに対して、携帯型ゲーム機は31%減少。北米では今年Newニンテンドー3DS/3DS LLが投入されていますが、昨年と比較して牽引するソフトが不足したため、市場規模が縮小しています。
据置型ゲーム機の中では、過去最高の販売となった第8世代が前年比で22%の増加を見せた一方で、第7世代は76%減少。また年初来の比較では57%減少しているとのこと(金額ベース)。これらの結果、ハードウェア売上全体に占める第8世代の割合は前年11月から9ポイント増加して93%となり、世代交代がほぼ完了していることが分かります。
NPDアナリストのLiam Callahan氏は、市場をリードするPS4とXbox Oneの販売が好調であることを強調。両機種の発売から25ヶ月間の合算売上は、前世代(PS3/Xbox 360)の同時期よりも47%多いと付け加えています。
SCEAのEric Lempel氏は声明で、「PlayStation 4は11月、アメリカ国内においてトップセラーハードとなったことに加えて、ブラックフライデーセールスもプレイステーション史上最も好調でした。さらにこの11月は、PlayStation Storeも好調で、小売市場を下支えする力強いデジタル市場を形成しています」とコメント。ソニーはブラックフライデーの前に、PS4の世界累計販売台数が3020万台を突破し、依然としてPS史上最速ペースで売れていると発表しています。
ソフト:目玉タイトルを欠いた携帯機市場が大幅縮小
ソフトウェア市場は、携帯機市場が66%もの大幅下落となるなどした結果、前年同月比で7%減の9億9390万ドルに。据置機市場は、第8世代が37%増加し過去最高となった一方で、第7世代は60%減少。据置トータルでは1%減となりました。
2015年11月 USチャート
- Call of Duty: Black Ops III (Xbox One, PS4, 360, PS3, PC)
- Fallout 4 (PS4, Xbox One, PC)
- Star Wars: Battlefront (PS4, Xbox One, PC)
- Madden NFL 16 (PS4, Xbox One, 360, PS3)
- NBA 2K16 (PS4, Xbox One, 360, PS3)
- FIFA 16 (PS4, Xbox One, 360, PS3)
- Need For Speed (PS4, Xbox One)
- Halo 5: Guardians (Xbox One)
- Assassin’s Creed: Syndicate (PS4, Xbox One, PC)
- Just Dance 2016 (Wii, Wii U, 360, Xbox One, PS4, PS3)
月間チャートトップとなったのはこの時期恒例『Call of Duty』シリーズの最新作『Call of Duty: Black Ops III』でした。報告によると、前作『Advanced Warfare』を上回る売上を見せているとのこと。
また2位に入った『Fallout 4』も好調で、シリーズ最高のローンチを記録。『Fallout: New Vegas』を70%、『Fallout 3』を9%上回る初動販売を見せました。ベセスダの他の成功例である『Elder Scrolls V: Skyrim』に迫る数字だとのこと。
映画との相乗効果も期待された『Star Wars Battlefront』は3位に登場。セールスは期待を下回っているとの声も聞こえる中、『Star Wars』タイトルとしては最も好調な初月セールスであるとNPD。2008年に発売された『Star Wars: Force Unleashed』を21%上回っていると指摘します。
「今年のトップ10内タイトルは、昨年のトップ10と比較して販売数、金額共に8%以上の伸びを見せました。上位5タイトルが市場を牽引しており、29%以上もよく売れています」とCallahan氏。今年の10タイトルはいずれも特別仕様の限定版が用意されており、それらが販売本数の9%、販売金額の14%を占めたとのこと。昨年、同様の形態がトップ10売上に占めた割合は、本数が3%、金額は5%と僅かな規模でした。
『CoD: BO3』に関してはXbox Oneが、『Just Dance 2016』はWii/Wii Uがトップとなっていますが、その他のタイトルはPS4版が最も高いシェアを占めました。比較的ライトな顧客の多いスポーツタイトルにおいてもPS4版が最も売れており、トップセラーハードとしての勢いを感じさせる結果となっています。
周辺機器・アクセサリ:Toys-to-Lifeの好調で前年比6%アップ
「Toys-to-Life」カテゴリが牽引する周辺機器・アクセサリ類の販売規模は、前年同月比で6%アップの3億5770万ドルでした。任天堂の『amiibo』は120万体以上を販売。また米国内における累計販売数は1100万を突破したとのこと。
2015年11月期アメリカゲーム市場規模(2015年11月1日〜11月28日)
- ハードウェア:11億2000万ドル(+11%)
- ソフトウェア:9億9390万ドル(▲7%)
- ソフトウェア(PC込):10億2000万ドル(▲7%)
- 周辺機器・アクセサリ:3億5770万ドル(+6%)
- 市場全体:24億7000万ドル(+2%)