任天堂、24年3月期の業績予想を上方修正。4〜9月は新作『ゼルダ』『ピクミン』好調でスイッチ販売が前年超え


Pikmin4 ピクミン4

 

任天堂が2023年11月7日に発表した2024年3月期第2四半期(2023年4〜9月)決算は、売上高が前年同期比で21.2%増、営業利益が同27.0%増など増収増益でした。今期の最大ヒット作である『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』は 1,950 万本と早くも 2,000 万本に迫る勢い。『ピクミン4』は 261 万本の販売を記録しています。また『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』効果でマリオ関連タイトルも数字を伸ばしています。

Nintendo Switch 本体の販売台数は前年同期比2.4%増の684万台、ソフトウェア販売本数は同1.8%増の9708万本となりました。

2023年4〜9月の売上高は主力のゲーム専用機ビジネスの売上増加に加えて、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』関連の売上を含むIP関連収入等の増加、また為替レートが円安に大きく振れて推移したことから、ニンテンドースイッチの発売以降で最大となりました。為替差益は368億円でした。

任天堂 2023年4〜9月 決算

  • 売上高 : 7962億3700万円(+21.2%)
  • 営業利益 : 2799億1000万円(+27.0%)
  • 経常利益 : 3800億700万円(+17.8%)
  • 純利益 : 2172億9800万円(+17.7%)
  • Nintendo Switch プラットフォーム※1 : 7233億6900万円(+17.4%)
  • その他ゲーム専用機※2 : 133億9800万円(▲12.2%)
  • モバイル・IP関連収入等※3 : 550億1000万円(+133.2%)
  • その他(トランプ他) : 44億5900万円(+125.3%)
  • ゲーム専用機に含まれるデジタル売上高※4 : 2175億円(+15.8%)

※1 NintendoSwitchプラットフォームの内訳:ハード・ソフト(パッケージ併売ダウンロードソフト、ダウンロード専用ソフト、追加コンテンツ、NintendoSwitchOnline含む)・アクセサリ

※2 NintendoSwitch以外のゲームプラットフォームやamiibo等

※3 映像コンテンツ収入、スマートデバイス向け課金収入、ロイヤリティ収入等

※4 パッケージ併売ダウンロードソフト、ダウンロード専用ソフト、追加コンテンツ、NintendoSwitchOnline等の売上高

スイッチ向けソフト販売が好調

ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム(The Legend of Zelda: Tears of the Kingdom)

ミリオンセラータイトル(2023年4〜9月)

ソフトウェアの販売本数は4〜6月に5221万本、7〜9月は4487万本となりました。最大ヒット作の『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』をはじめ、任天堂だけで12タイトル、ソフトメーカーで4タイトルのミリオンセラーが誕生しています。

任天堂のミリオンセラータイトルは次の通りです。

  • ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム – 1950万本
  • マリオカート8 デラックス – 322万本
  • ピクミン4 – 261万本
  • 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL – 135万本
  • ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド – 133万本
  • New スーパーマリオブラザーズ U デラックス – 128万本
  • マリパーティ スーパースターズ – 127万本
  • スーパーマリオ オデッセイ – 120万本
  • スーパーマリオ 3Dワールド + フューリーワールド – 120万本
  • あつまれ どうぶつの森 – 117万本
  • Nintendo Switch Sports – 117万本
  • ポケットモンスター スカーレット・バイオレット

映画効果でマリオ関連タイトル売上増

任天堂公式にも言及があったように、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』効果でマリオ関連タイトルが良く売れています。『マリオカート8 デラックス』(307→322)や『マリパーティ スーパースターズ』(119→127)は昨年同時期よりも数字を伸ばしていますし、『スーパーマリオ オデッセイ』や『New スーパーマリオブラザーズ U デラックス』『スーパーマリオ 3Dワールド + フューリーワールド』は昨年のこの時期はまだミリオン未達でした。

ゼルダTOTK効果で前作も売上を伸ばす

初動で1851万本というスタートを切った『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』は1950万本。7〜9月は99万本を販売しています。新作に引っ張られる形で前作『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は133万本を販売。国内(22→26)・海外(100→108)いずれも昨年の同時期よりよく売れています。

ピクミン4は国内のみでもミリオン

7月発売の『ピクミン4』は261万本を販売。国内では136万本、海外で124万本というヒット作となりました。国内のみでいきなりミリオン。ちなみにスイッチで発売された前作『ピクミン3 デラックス』の初動(2020年10〜12月)は国内82万本、海外112万本の194万本でした。初動は海外でやや伸び悩んだ印象ですが前作超えのスタート。ホリデー商戦時期かそうでないかの違いもあります。

通期予想を上方修正

第2四半期までの販売状況や今後の見通しを踏まえ、任天堂は通期の販売予想を見直しています。また為替の想定レートも見直した結果、業績予想を上方修正しています。

修正後の業績予想は売上高が1兆5800億円(+1300億円)、営業利益は5000億円(+500億円)、経常利益は6000億円(+1200億円)、純利益は4200億円(+800億円)。

為替の想定レートは1ドル130円から140円に、1ユーロ135円から150円へと変更しています。

Nintendo Switch の新しい販売予想は本体1500万台(変更なし)、ソフト1億8500万本(+500万本)。

この上方修正にともない、年間配当金も一株あたり147円から181円に増額となります。

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