任天堂の20年3月期は増収増益、『あつ森』は1,177万本でスイッチソフト最速の滑り出し


あつまれ どうぶつの森 (Animal Crossing: New Horizons)

 

任天堂が5月7日に発表した2020年3月期通期決算(2019年4月〜2020年3月)は Nintendo Switch プラットフォームの好調により増収増益となりました。

最大ヒットは『ポケットモンスター ソード・シールド』の1737万本。

3月20日に世界ローンチをはたした『あつまれ どうぶつの森』は月末までに1,177万本。Nintendo Switch 向けソフトとして過去最大の滑り出しとなりました。

また『あつ森』は発売6週の段階で累計1,341万本に達していて、『おいでよ どうぶつの森』や『とびだせ どうぶつの森』が数年かけて積み上げてきた累計売上を上回り、はやくもぶつ森シリーズ歴代1位となっています。

どうぶつの森シリーズのセルスルー比較(日米欧合算)

Nintendo Switch ファミリーの販売台数は2,103万台でした。

売上高は1兆3,085億円、営業利益は3,523億円、経常利益は3,604億円、純利益は2,586億円となりました。

スイッチは『あつまれ どうぶつの森』以外にも、『ルイージマンション3』や『スーパーマリオメーカー2』は500万本を突破するなど好調だったことに加え(『あつ森』に隠れていますが『ルイマン3』もシリーズで最も好調)、前期までに発売済みのいわゆる定番タイトル群が引き続き売上を伸ばしています。任天堂によると、20年3月期のミリオンセラータイトル数は、サードパーティ製のタイトルも含めて27タイトルでした。販売本数は1億6,872万本(パッケージソフトおよびパッケージ併売ダウンロードソフトの販売数)。

なお新型コロナウイルスの影響で、本体や周辺機器、『リングフィットアドベンチャー』の生産・出荷が停止あるいは遅延するなどしていましたが、この期への影響は限定的でした(21年4月以降は影響がではじめる?)。

2020年3月期 通期業績

  • 売上高 : 1兆3,085億円 (+9.0%)
  • 営業利益 : 3,523億円 (+41.1%)
  • 経常利益 : 3,604億円 (+30.0%)
  • 純利益 : 2,586億円 (+33.3%)

事業別売上高

ニンテンドー3DS : 180億5,600万円

Nintendo Switch : 1兆2,193億2,700万円
※Nintendo Switch Onlineを含む

その他 ゲーム専用機 : 167億7,700万円
※ニンテンドー3DS、Nintendo Switch以外のゲームプラットフォームやamiibo、バーチャルコンソール等

モバイル・IP関連収入等 : 512億9,500万円
※スマートデバイス向け課金収入、ロイヤリティ収入等

その他(トランプ他) : 30億6,200万円

ゲーム専用機に含まれるデジタル売上高 : 2,041億円
※パッケージ併売ダウンロードソフト、ダウンロード専用ソフト、追加コンテンツ、Nintendo Switch Online等

※各プラットフォームの内訳は、ハードウェア・ソフトウェア(パッケージ併売ダウンロードソフト、ダウンロード専用ソフト、追加コンテンツ含む)・アクセサリ等を含む

Nintendo Switch 販売数

  • ハードウェア : 2,103万台 (累計5,577万台) +24%
    うち Nintendo Switch Lite : 619万台
  • ソフトウェア : 1億6,872万本 (累計3億5,624万本) +42.3%

※ソフトの販売数量は、パッケージソフト及びパッケージ併売ダウンロードソフトの数量です(ハード同梱を含む)。

ミリオンセラータイトル

ミリオンセラータイトルは以下の通りです。2019年12月末時点では16タイトルでしたが、2020年3月末時点では2タイトル増え18タイトルとなりました。『スーパー マリオパーティ』と『スプラトゥーン2』が累計1,000万本に到達しています。

Nintendo Switch

  • ポケットモンスター ソード・シールド – 1,737万本
  • あつまれ どうぶつの森 – 1,177万本
  • マリオカート8 デラックス – 808万本 (累計2,477万本)
  • ルイージマンション3 – 633万本
  • スーパーマリオメーカー2 – 548万本
  • 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL – 503万本 (累計1,884万本)
  • ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド – 464万本 (累計1,741万本)
  • ゼルダの伝説 夢をみる島 – 438万本
  • スーパー マリオパーティ – 370万本 (累計1,010万本)
  • New スーパーマリオブラザーズ U デラックス – 329万本 (累計660万本)
  • スーパーマリオ オデッセイ – 297万本 (累計1,741万本)
  • ファイアーエムブレム 風花雪月 – 287万本
  • リングフィット アドベンチャー – 273万本
  • スプラトゥーン2 – 143万本 (累計1,013万本)
  • ポケットモンスター Let’s Go! ピカチュウ・Let’s Go! イーブイ – 134万本 (累計1,197万本)
  • ポケモン不思議のダンジョン 救助隊DX – 126万本
  • MARVEL ULTIMATE ALLIANCE 3 – 108万本
  • ASTRAL CHAIN – 108万本

累計販売本数 トップ10

  1. マリオカート8 デラックス – 2,477万本
  2. 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL – 1,884万本
  3. ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド – 1,741万本
  4. スーパーマリオ オデッセイ – 1,741万本
  5. ポケットモンスター ソード・シールド – 1,737万本
  6. ポケットモンスター Let’s Go! ピカチュウ・Let’s Go! イーブイ – 1,197万本
  7. あつまれ どうぶつの森 – 1,177万本
  8. スプラトゥーン2 – 1,013万本
  9. スーパー マリオパーティ – 1,010万本
  10. New スーパーマリオブラザーズ U デラックス – 660万本

2021年3月期の見通しは

世界的な巣ごもり需要の高まりは任天堂にとって追い風となり、2020年3月期は『あつまれ どうぶつの森』の大ヒットもあって好業績となりました。

2021年3月期はNintendo Switchが4年目に入り、ゲーム機のライフサイクルとしてはそろそろ折り返し時期。任天堂はスイッチの販売目標を、本体1,900万台、ソフト1億4,000万本に設定。さらなる普及拡大を目指します。

売上高は1兆2,000億円、営業利益は3,000億円、経常利益は2,900億円、純利益は2,000億円を見込みます。

ただし新型コロナウイルス感染拡大によるリスクとして、部品調達や生産・出荷への影響を受ける可能性があること、販売経路の制限などによる消費行動への影響、在宅勤務などにより通常と開発環境が異なるなかで開発を行っている関係で開発スケジュールへの影響が特に海外で懸念されること、さらに為替変動による業績への影響も懸念されています。

想定為替レートは1USドル=105円、1ユーロ=115円。

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