任天堂が発表した2016年第3四半期の連結業績(2015年4-12月期)は、売上高が4256億6400万円(前年同期比▲3.9%)、営業利益は424億8500万円(+34.4%)、経常利益は552億9500万円(▲40.1%)、純利益は405億5800万円(▲31.9%)でした。前期は為替差益が510億円発生していたため、その影響で減益となっています。
10-12月期の売上高は2214億8200万円、営業利益は335億800万円、純利益は290億9200万円。年末商戦は苦戦が予想されていたものの、Wii U用ソフトの販売好調などで堅調な推移を見せました。
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減速が目立つ3DSと、新規ヒットに支えられたWii U
ニンテンドー3DS
携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」の本体販売台数は588万台(前年同期比▲16.9%)。10-12月期に限ると330万台で、昨年の499万台からから3割以上減少しました。ソフトウェアは3887万本(▲26.7%)。10-12月の売上は1967万本と、こちらも3割以上減らしています。
2015年4-12月期のトップセラーは『どうぶつの森 ハッピーホームデザイナー』で293万本。国内が145万本、海外が148万本でほぼ同比率となりました。2015年発売ではこの他に『ゼルダの伝説 トライフォース3銃士』が海外ゼルダ人気を受けて108万本を販売(国内19万本、海外90万本)。ただ、2015年にミリオンセラーを達成した任天堂の3DS向け新作はこの2本のみで、キラータイトル不在もあってこれまでのような元気が見られません。
ニンテンドー3DS 2015年4-12月期 ミリオンセラータイトル
- どうぶつの森 ハッピーホームデザイナー:293万本(国内14万本/海外148万本)/累計293万本
- ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア:152万本(国内18万本/海外134万本)/累計1146万本
- マリオカート7:133万本(国内16万本/海外117万本)/累計1303万本
- 大乱闘スマッシュブラザーズ for 3DS:116万本(国内15万本/海外101万本)/累計792万本
- ゼルダの伝説 トライフォース3銃士:108万本(国内19万本/海外90万本)/累計108万本
Wii U
Wii U本体の販売台数は306万台(前年同期比+0.0%)。ソフトは2262万本(+9.8%)でした。海外で本体セールスが鈍ったものの、国内増加分でカバー。ソフト売上も北米以外の地域では伸びています。
ソフトのトップセラーは『Splatoon(スプラトゥーン)』の406万本。『スーパーマリオメーカー』も334万本を販売し、Wii Uだけでなく任天堂全体のソフトセールスも牽引しています。その他、2015年発売ソフトでは『ヨッシー ウールワールド』も131万本を販売してミリオンセラーの仲間入り。また昨年発売の『マリオカート8』は、2年目も210万本を超えるヒットを記録しています。
Wii U 2015年4-12月期 ミリオンセラータイトル
- スプラトゥーン:406万本(国内137万本/海外270万本)/累計406万本
- スーパーマリオメーカー:334万本(国内88万本/海外246万本)/累計334万本
- マリオカート8:213万本(国内21万本/海外191万本)/累計724万本
- ヨッシー ウールワールド:131万本(国内13万本/海外119万本)/累計131万本
amiiboやダウンロード売上高は好調に推移
『amiibo(アミーボ)』はフィギュア型が約2050万体、カード型が2150万枚を販売。対応ソフトとして期待された『どうぶつの森』スピンオフの連動機能は魅力を欠いた印象がありますが、『amiibo』カテゴリの商品は好調な販売が続いています。
また、ニンテンドーeショップを中心とするダウンロード売上高は305億円(+44.5%)と拡大しました。
任天堂 2015年4-12月期 連結業績
売上高:4256億6400万円(前年同期比▲3.9%)
営業利益:424億8500万円(+34.4%)
経常利益:552億9500万円(▲40.1%)
純利益:405億5800万円(▲31.9%%)
地域別売上高
- 日本:1166億8500万円
- 米大陸:1860億8700万円
- 欧州:1098億6500万円
- その他:130億2500万円
販売実績
- ハードウェア:2390億3300万円(前年同期比+1.7%)
- ソフトウェア:1854億1000万円(▲10.4%)
- トランプ・かるた他:12億2000万円(+27.4%)
販売数
ハードウェア
- 3DS: 588万台(前年同期比▲16.9%)
- 3DS LL: 52万台
- 2DS: 92万台
- New3DS: 89万台
- New3DS LL: 334万台
- Wii: 11万台(▲71.0%)
- Wii U: 306万台(+0.0%)
ソフトウェア
- 3DS: 3887万本(前年同期比▲26.7%)
- Wii: 618万本(▲38.5%)
- Wii U: 2262万本(+9.8%)
通期予想は変更なし
苦戦が予想された年末商戦を乗り越えて、任天堂はこれから3月末までにVC『ポケットモンスター』や『マリオ&ソニック AT リオオリンピック』『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス HD』といった自社タイトルを発売予定。また、Wii U活性化に貢献している『スプラトゥーン』や『スーパーマリオメーカー』も引き続き話題性の維持を目指します。
『amiibo』の新作やスマホ向け第1弾『Miitomo(ミートモ)』のローンチもあり、5月発表の通期業績予想、売上高5700億円、営業利益500億円、経常利益500億円、純利益350億円に変更はありません。