任天堂は9月27日、任天堂の知的財産権を侵害しているとして株式会社マリカー(現商号:株式会社MARIモビリティ開発)およびその代表取締役との間で争っていた公道カート裁判について、東京地裁に任天堂の主張が認められたと発表しました。
東京地裁はMARIモビリティ開発に対して、マリオ等の任天堂キャラクターのコスチューム貸与などを含む不正競争行為の差止や、損害賠償金の支払いを命じる判決を下したということです。
公道カートのレンタルサービスに伴う当社知的財産の利用行為に関する東京地裁判決について
任天堂株式会社(本社:京都市南区、代表取締役社長:古川俊太郎、以下「当社」)は、2017年2月24日付ニュースリリース「公道カートのレンタルサービスに伴う当社知的財産の利用行為に対する訴訟提起について」でお知らせ致しましたとおり、株式会社マリカー(現商号:株式会社MARIモビリティ開発、本店:東京都品川区、以下「被告会社」)およびその代表取締役(以下、併せて「被告ら」)に対して、被告会社による知的財産権の侵害行為の差止等並びに上記行為から生じた損害の賠償を被告らに対して求める訴訟を東京地方裁判所に提起しておりました(平成29年(ワ)第6293号)。
上記訴訟に関しまして、本日、東京地方裁判所において、「マリカー」という標章等が被告会社の需要者との関係で当社の商品等表示として広く知られていることを認めた上で、被告会社に対して、不正競争行為の差止(例えば、被告会社の営業活動においてマリオ等のキャラクターのコスチュームを貸与することが禁止されることが判決文中で、例示されています。)と、損害賠償金の支払い等を命じる判決が下されましたので、お知らせいたします。
当社は、長年の努力により築き上げてきた当社の大切な知的財産を保護するために、当社のブランドを含む知的財産の侵害行為に対しては今後も継続して必要な措置を講じていく所存です。
以上
MARIモビリティ開発(マリカー)は、主に外国人観光者をターゲットに、東京都内で公道カートのレンタルサービスを展開している会社。
現在は社名が変更されていますが、旧商号の「マリカー」は任天堂の定番カートレースゲーム『マリオカート』の略称である「マリカー/マリカ」がそのまま使用されており、また公道カートをレンタルする際にはマリオなど任天堂キャラクターのコスチュームのレンタルも用意するなど、任天堂との関連を思わせるものでした。また宣伝・営業にもマリオコスチュームが写った画像や映像が使用され、それらはすべて、任天堂に無許諾で行われていました。
こうした行為に対して任天堂は2017年2月、不正競争行為や著作権侵害行為の差止、さらにはそれら行為から生じた損害の賠償を求める訴訟、いわゆる公道カート訴訟/マリカー訴訟を東京地方裁判所に提起していました。
「当社は、長年の努力により築き上げてきた当社の大切な知的財産を保護するために、当社のブランドを含む知的財産の侵害行為に対しては今後も継続して必要な措置を講じていく所存です」
なお公道カートは今も観光客には人気が続いていて、最近でもイタリア セリエAのナポリに所属するどリース・メルテンス(ベルギー代表)がワールドカップ後に日本へ旅行した際、ルイージに扮して楽しんでいた様子も話題となりました。