インターネット通販「楽天市場」などを展開する国内 IT 大手の楽天は14日、携帯キャリア事業への新規参入を、同日開催した取締役会で決議したと発表しました。携帯電話会社を新たに設立し、2018年1月にも総務省へ電波の割当を申請。2019年中のサービス開始を目指します。目標としている利用者は1500万人。順調に進めばNTTドコモとKDDI、ソフトバンクに続く、第4の携帯電話会社が誕生しそうです。
基地局設置工事など、設備投資にかかる費用は2019年のサービス開始時で約2000億円。2025年までに最大6000億円規模。それ以降は次第に減少すると見込んでいます。
楽天は現在、いわゆる格安スマホ事業者(MVNO、Mobile Virtual Network Operator、仮想移動体通信事業)として楽天モバイルを展開。140万人以上の契約者を抱え、MVNO業界トップシェアを獲得しています。
その楽天が今回、自ら回線や基地局を持つ移動体通信事業者 (Mobile Network Operator、MNO) となる決断。第4の携帯キャリアとして立ち上がることができれば、現在の大手3社による寡占状態に競争が生まれ、家計の負担となっている通信費の削減やサービスの質向上を期待できます。
楽天は周波数の割当を受けた場合「現在の MNO 市場を競争的にすることで、その効率性を高め、より低廉で利用し易い携帯電話の料金を実現し、消費者を含めた社会全体の便益の最大化を目指していく」とコメントしています。