グリーティングカード会社のライターとして勤めるトム(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)が、誰もが振り返る魅力的な女性サマー(ズーイー・デシャネル)と出会って過ごした500日の物語。恋人になりたいトムと、そんな気は無いというサマー。恋人的なデートをして、最初はそれで満足。でも、いつまでもはっきりしない関係が続くとやっぱり欲が出てきちゃう。
500日を素直に時系列順に見せるのではなく、行ったり来たりと往復しながら気持ちの移ろいを見せてくれるのが面白い。最初はちょっと混乱もしたけれど。ちなみに、オープニングは290日目から。
恋愛経験が少なく頼りにならない同僚と、まだ幼いながら頼りがいのある妹に助言をもらいつつ、サマーこそが運命の女性なんだと信じて止まない恋愛妄想男子。小悪魔サマーに振り回されて、結ばれて有頂天になって、悩んで、期待通りにならなくて、すれ違って。
「期待と現実」を並行して見せる表現だったり、使われている音楽がどれも素敵だったり、男女の恋愛観の違いだったりを感じられる。まあサマーみたいな子は実際そう多くないかもしれないけれど、トムみたいに好きな女の子にいいように翻弄されて、いちいち一喜一憂する男子はたくさんいるだろう。
ちくっと胸が痛む部分もあるけど(手を繋ごうとしてそっと避けられるとか!)、立ち直って前を向いて進んで行く姿も清々しくていい。惹かれあう時間も運命の一部で、ゴールが一緒だとは限らないのもまた運命の一部。
建築家を志しながらもカード会社でライターの職に甘んじているトムは、運命の恋を夢見るロマンチスト。いつか素敵な恋人に出会えるはずと信じていた。そんなトムの前に新入社員サマーが表れる。彼女を一目見た瞬間に恋に落ちたトム。サマーもトムに好意を抱き、2人はデートを重ねるが、彼らの間には大きな壁が立ちはだかっていた。トムと違って、サマーは真実の愛なんてものを、これっぽちも信じていなかったのだ。