生産出荷とは、ある製品が生産拠点(畑や工場)から自社倉庫などに出荷(移動)した数を表す単位です。その性質上、生産数と出荷数に差が出やすい農作物に対して主に使われているそうですが、工業製品に対しても稀に使用されることがあります。

たとえばソニーは決算等の発表で、「生産出荷だとアキュレート(正確)な数字がとらえられる」メリットがあるとして、生産出荷台数を用いています。生産、出荷、販売と何が違うのでしょうか。

生産出荷とは

ソニーの生産出荷

ソニーいわく、ハードウェア・ソフトウェア製品の「生産出荷数量」は、“生産拠点から出荷した時点で集計” した数字。当然ながら、この生産出荷段階では売上とはならず、製品の売上は販売店や顧客に同製品が引き渡された時点で発生します。

つまり生産出荷は、問屋・販売店等へと出荷される、他社の発表で通常用いられる出荷とイコールではない点に注意が必要です。

生産量に近い

生産出荷数は生産拠点から倉庫へ移動した数字ですから、出荷よりも生産に近い数量となります。そのため、市場実態よりも大きい数字が出ます。

実際ソニーは2006年度第4四半期決算で、当時の PlayStaton 3 の生産出荷台数を550万台と発表していますが、修正後の売上台数(出荷台数)は357万台でした(現在SIE公式サイトでは350万台と記載)。約190万台が出荷されておらず、在庫として倉庫に残っていたことになります。

ソニーの生産出荷数は、実態との乖離が大きく目立ち始めたこの頃に特に注目されました。他社(任天堂)と同じ出荷を発表すべきとの指摘も。それもあってか、ソニーは2007年度第1四半期決算から生産出荷での公表を止め、他社と同じ売上(出荷)数を発表するようになっています。

生産出荷がひっそりと復活

そんな2007年度からしばらく使われていなかった「生産出荷」が、最近になってひっそりと復活しています。

ソニーは2018年5月、『aibo(アイボ)』の累計生産出荷台数が、4月中旬に11,111台を達成したと発表。まさにアキュレートな数字を把握できるからこそ、この台数での発表でした。

そもそもの物言いがついたゲーム分野でも、「PlayStation Awards 2017」から販売本数基準が「累計出荷枚数・ダウンロード数」の合計から「累計生産出荷数・配信数」の合計へと変更されました。

「PlayStation Awards 2018」では「累計出荷数(配信数)」に戻りましたが、実際には「生産出荷数」のことで、カプコンの『モンスターハンター:ワールド』が日本を含むアジア地域で「累計生産出荷数・配信枚数」が400万を超えたタイトルを示す“Quadruple Platinum Prize”として表彰されています。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で