第74期定時株主総会の質疑応答より。全体的なソフト開発の遅れがある中で、特にゲームに慣れた熟練者がじっくり楽しめるソフト投入が遅れているWii U。ローンチから2年近く経ってようやく『ベヨネッタ2』や『ゼノブレイドクロス』が出てくるブランク期間について、株主からの質問に任天堂の宮本茂氏や高橋伸也氏が回答しています。
まず高橋氏は、熟練者向きのソフト投入が遅れていることを認めた上で、E3 2014においてWiiで高い評価を得た『ゼノブレイド』シリーズ作である『XenobladeX(ゼノブレイドクロス)』をタイトルも含めてお披露目したことや、新作として『Devil’s Third(仮称)』も用意しているとし、これからはファミリー向けだけでないソフトについても楽しんでもらえるようにしていきたいと回答。
宮本氏は、まずそうしたコア層向けソフトの採算化が、他プラットフォームも含めて一層厳しくなってきていることを説明。ただし、厳しくもユーザーから強く求められているゲームに任天堂が取り組まないというわけではなく、モノリスソフトで様々な取り組みを行っていることや、プラチナゲームズの『ベヨネッタ2』といったタイトルを挙げ、“Wii Uにふさわしいクオリティのソフトがつくれるようになりましたので、これからは順次発売していきたいと思います”とコメントしています。
E3で発表されたタイトルを含めても、ゲームソフトを積極的に購入して消費していくことが習慣になっている、ゲーマー層を満足させられるだけのラインナップが揃ったとはまだ言えないと思います。順次発売というからには、発表している以上の熟練者向けタイトル開発が進んでいることを期待したいものです。
営業チームも売上につなげるようチャレンジ
また、Wiiの時もそうでしたが、主要顧客であるファミリー向けを少し外れると、いくら高評価を得たとしてもなかなかセールスに結びつかないというのが、任天堂プラットフォームの特徴でした。
この点について取締役・営業本部長の大和聡氏は、趣向の多様化であったり情報伝達手段の変化に、任天堂は十分について行けていないのではないかと危惧しているとコメント。その上で、営業部門としてもスマートデバイスやSNSをさらに活用して、宣伝・キャンペーンを行い情報を伝えていきたいと述べています。
海外とは文化が違うので一概には言えませんが、国内の任天堂Twitterアカウントは非常に大人しく事務的ですし、体験イベントも、『マリオカート8』でようやく店頭試遊ができるようになったところで。
ニコニコ超会議のように、もっと色々なイベントに参加して新作ソフトの魅力を積極的にアピールしても良いと思うのですけれどね。