任天堂が公開した4月25日開催の決算説明会質疑応答の中で、岩田社長はWii U『ピクミン3』をはじめとして、主要タイトルの発売時期が軒並み大きく延期されたことについて説明しています。
Q7で、「ソフトのクオリティを追求するあまり、『ピクミン3』以降のタイトルについても発売延期のリスクがあるのではないか」という投資家からの質問に対し、岩田社長は、自社タイトルが順調に仕上がらなかった背景として、Wii Uのローンチソフトを仕上げるために予定より大きなエネルギーが必要で、他ソフトの開発チームからヘルプを借りたという旨のコメント。
また、単純に「ソフト開発で苦労している」わけではなく、従来型のパッケージソフトに対して「ユーザーが満足するハードル」がどんどん上がっているため、その要求に応えるためにこれまで以上にエネルギーを使う必要があったといいます。
またQ3で岩田社長は、今後のゲームビジネスについて、「お客様に『お金を出して買う価値がある』という魅力を感じていただけるソフトをいくつ出せるか」がカギになってくると思っていると述べ、『ピクミン3』等のタイトルについて「もうひと磨きして出さないとお客様に十分な価値を感じていただけないのではないか」と考えた。と延期理由についてコメントしています。
実際、『とびだせ どうぶつの森』は事前予想をはるかに上回る大ヒットとなりましたし、海外でも『ルイージマンション2』や『ファイアーエムブレム 覚醒』は高い評価を得て受け容れられています。
任天堂はゲームキューブ時代、質よりも納期を優先したことでN64時代のような高いクオリティを保てなくなり、メインブランドの評価を下げた苦い経験がありますから、最近では発売時期も勿論大切だけども、何よりも「任天堂ブランド」に恥じない質を維持することを重要視しています。
ただWii Uの遅れや不備に関して言えば、他社がHD機の開発で苦労している様子をこの数年端から見ることができていたわけで、任天堂の見込みが甘かった面も多分にありそうですけれど。