任天堂は11日、パリのルーブル美術館と提携し、専用の『Audioguide』(オーディオガイド)ソフトを内蔵したニンテンドー3DSをルーブル美術館に提供することを発表しました。年間890万人にもおよぶルーブル美術館の訪問者は今後、3DSを用いて芸術文化とのインタラクティブな交流が可能になります。
このガイドソフトが内蔵された3DSは、現地11日以降、美術館の来館者が利用可能になるとのこと。貸出料金は、一般が5ユーロ(以前は6ユーロ)、18歳未満は3ユーロなど。
『Audioguide Louvre – Nintendo 3DS』は、フランス語、英語、ドイツ語、韓国語、スペイン語、イタリア語、日本語の7カ国語に対応。3DSの特徴的な機能である裸眼立体視によってインタラクティブ動画や、主要作品の3Dモデル、美術館内の3D写真によって通常見ることの出来ない角度からをも美術鑑賞が可能。「必見作品」や「美術館発見ツアー」「位置検索機能」によって、初来館者でも楽しめるガイドソフトとなっています。
今後、聴覚障害者用のフランス語手話による映像紹介ツアー「Adapted(適応)ツアー」機能も追加される予定。日本でも観賞ソフトが出ると嬉しいんだけど。
ニンテンドーオブヨーロッパの公式ツイッターアカウントでは、宮本茂さんがこのガイドを使って観賞している画像などを公開しています。
以下、リリースからの仕様詳細です。
Audioguide Louvre – Nintendo 3DS 仕様
●ガイドなしのツアー
700以上の音声による解説や写真(その多くが高解像度)が搭載されている。シンプルかつ魅力的な説明によって、ルーブル美術館の専門家たちが来館者に背景情報を伝え、展示作品の理解を深める。
●必見作品
インタラクティブマップ上では主要な作品が目立つように表示され、利用者が同美術館で最も重要な作品群を見逃すことがないようにしている。利用者が見たい作品を順次見て回れるように自分で順路を決定することもできる。
●美術館発見ツアー
ルーブル美術館初来館者向けにとくに考案された2つの館内ツアーから1つを選択できる。各ツアー所要時間は約45分間:
「Masterpieces(大作)」ツアー:レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナリザ」や「ミロのヴィーナス」、「サモトラケのニケ」といった同美術館の中でも最も有名な作品を発見・再発見するツアーで、ルーブルで最も有名な部屋のいくつかに順次案内される。
「Egypt for all the family(すべての家族のためのエジプト)」ツアー(近日スタート):ユーモラスで勉強になるこのツアーでは、エジプトの人々やナイル川近郊の知識、農夫や職人の仕事、専制君主の権力に光が当てられる。来館者は、展示物の詳細を通常よりも注意深く観察し、理解を深めることを奨励される。利用者は自身の知識を試すため、訪問中にマルチメディアゲームによるクイズに挑戦できる。
●「Adapted(適応)」ツアー(近日スタート)
障害をお持ちの方にもご利用いただける解説:聴覚に障害をお持ちの皆様は、ルーブルの主要作品を中心としたフランス語手話による映像紹介ツアーを利用可能。視覚に障害をお持ちの皆様は、特別なタッチギャラリーにお越しいただくことができる。
●特別展示のオーディオガイド
2012年6月25日まで開催される展覧会「The Saint Anne, Leonardo da Vinci’s Ultimate Masterpiece(聖アンナ、レオナルド・ダ・ヴィンチの最高傑作)」でミステリアスな謎を発見できる。ルーブル絵画部門部長であり展示解説員であるVincent Delieuvin氏 による解説つき。
●革新的な位置検索機能
巨大な建物、3つの翼と4つの階にわたるコレクションの中では、迷わずに鑑賞するのが困難と感じる来館者も存在する。任天堂の位置確認技術の助けを借りれば、世界最大の美術館の1つとはいえ、その中で迷った場合に今後は言い訳ができなくなるだろう。新しいオーディオガイドを使えば、美術館マップ上で自分が今どこにいるのか、いつでも確認できる。ニンテンドー3DSの2つのスクリーンを活用し、自分がいる階のメインマップを見て、正確な居場所が確認できる。
●裸眼立体視
インタラクティブ動画、主要作品の3Dモデル、美術館内の3D写真……。「サモトラケのニケ」の裏側を見たいと思っても、壁があって後ろに回ることができないが、3D技術を活用すれば、あらゆる角度からの美術品鑑賞が可能になる。
●高解像度写真
解説にはたくさんの高解像度写真がついており、作品を確認して追加情報を入手することができる。HDズームを使えば各作品を隅々まで鑑賞できる。モナリザの背景をじっくり観察したり、「皇帝ナポレオン1世と皇妃ジョセフィーヌの戴冠」(Jacques-Louis David作)に描かれた人物を認識したり、「カナの婚礼」(Veronese作)に含まれる建造物を鑑賞できる。