1990年11月21日、『スーパーマリオワールド』とともに、『F-ZERO』はスーパーファミコン(SFC)と同時発売されました。F1 の未来の姿をイメージしたといわれるこのレースゲームは、SFC ハードの持つ機能、拡大・縮小・回転表示機能をフル活用し、これまで体験したことがないようなゲーム体験を実現。その後も NINTENDO64 やゲームボーイアドバンス、アーケード、ゲームキューブでシリーズ展開されました。
ファン人気も根強い『F-ZERO』シリーズですが、2004年の『F-ZERO CLIMAX』を最後にシリーズは休眠状態。ハードウェアの進化とともに、新たな『F-ZERO』像を見せてもらいたところではあるものの、任天堂から新たな動きは見えてきません。
『F-ZERO』シリーズの今後はどうなってしまうのか。
海外メディア Edge の取材によると、第1作目のプロデューサーを務め、また任天堂のソフト開発の中心人物である宮本茂氏は、『F-ZERO』の今後の展開について、“驚きのあるアイデアを提供できるのであれば” と前置きした上で「可能性はあるでしょうね」とコメントしています。
単純に HD 化や立体視で見た目をキレイにしただけの作品ならば、新作として出すつもりはないということの裏返しでもあります。
『F-ZERO』シリーズは 1990 年にスーパーファミコンで生まれた近未来高速レースゲーム。その後シリーズ化され、これまで6作品(アーケード版も含めると7作品)が発売されています。
- F-ZERO(1990年、SFC)
- F-ZERO X(1998年、N64)
- F-ZERO FOR GAMEBOY ADVANCE(2001年、GBA)
- F-ZERO AX / GX(2003年、AC/NGC)
- F-ZERO ファルコン伝説(2003年、GBA)
- F-ZERO CLIMAX(2004年、GBA)
今のところ最後のタイトルは、2004年にゲームボーイアドバンスで発売された『F-ZERO CLIMAX』。ニンテンドーDSやWii世代で新作は発売されませんでした。
宮本氏は『F-ZERO』について、「当時は本当に大変な驚きであり、新しいものであり、意味あるプロダクトでした」とコメント。一方で現在の進化したハードウェアで、当時感じたものと同様の驚きをどのように作り出せるのかは分からないと考えているようです。
ですが新作が出ていないからといって『F-ZERO』シリーズが終わったわけではありません。
「ですがおそらく将来のハードウェアで、Wii U も発売されますが、おそらく僕たちは何かしら形にできるかもしれません。より小さなゲームとしてか、あるいは本格的なタイトルとして、意味あるものを開発できるかもしれません」と付け加えています。
『F-ZERO』は『マリオカート』のようなアクションレースゲームではなく、より硬派にタイムを競うストイックなレースゲーム。将来的に新作を作る動きが出てきたとして、グラフィック面以外でどう進化させられるのかは気になるところ。
任天堂単独で動けないのであれば、レースゲームが得意な他社とのコラボは?
たとえばゲームキューブとアーケード向けに発売された『F-ZERO GX/AX』は、セガとのコラボレーションによって実現したタイトル。今は龍が如くを開発している名越稔洋氏率いるアミューズメントビジョン(元開発子会社、現在はセガに統合)が開発を担当。美しい立体的なコースで繰り広げられる攻撃的な高速レースを安定した60fpsでプレイすることができました。