セガサミーホールディングスは2024年3月28日、2023年9月に発表していた主に欧州地域における構造改革の具体的な取り組みを発表。構造改革の実施に伴い、新たに約56億円の売上原価と約62億円の特別損失を計上する見込みとなったとあわせて発表しています。構造改革実施の効果としては、年間のキャッシュアウトが約100億円程度抑制される見通し。
施策のなかには、セガヨーロッパの完全子会社である Relic Entertainment の売却や、中期ラインナップの見直し、固定費の適正化が含まれます。
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セガサミー、欧州地域の構造改革を実施
Relic Entertainmentの売却
Relic Entertainment は英国の投資会社である Emona Capital LLP が新設する持株会社に売却(譲渡先の意向により詳細は非開示)。事業再編損約 47 億円が特別損失として計上される見込み。
Relic Entertainmentとは
Relic Entertainment はカナダのバンクーバーに拠点を置く開発会社。以前は THQ Canada として知られていました。2013年、THQの破産によりセガサミー傘下に。完全子会社としてセガヨーロッパの下に置かれました。リアルタイムストラテジーゲーム(RTS)を得意とし、『Warhammer 40,000』『Company of Heroes』『Homeworld』 シリーズなどを開発してきました。
直近タイトルは『Company of Heroes 3』(2023年)や『Age of Empires IV』(2021年)。
人気シリーズを抱える同社ですが近年は収益性が悪化していました。
スタジオは独立した開発スタジオとして存続し、まずは『Company of Heroes 3』の更新をはじめとする各タイトルのサポートなどを続けていくとのこと。
中期ラインナップの見直し
欧州スタジオにおける中期ラインナップを見直した結果、一部の開発中タイトルの仕掛品の評価減を実施します。これに伴い損失約 56 億円が売上原価として計上される見込み。
固定費の適正化
開発体制及び中期ラインナップの見直しを進めると同時に、固定費の適正化を目的として、欧州地域の複数の拠点において約 240 名の人員削減を行います。これに伴う事業再編損 約 15 億円が、特別損失として計上される見込み。なお、2023年9月に公表した欧州スタジオにおける一部の開発中タイトル中止に伴い、既に約 250 人の人員が削減されています。