バンダイナムコ、5タイトル以上を開発中止に「クオリティ重視の開発を強化していく」


鉄拳8

 

2024年2月14日に発表した2023年4-12月期決算において、デジタル事業(家庭用ゲームを含む)の売上高が前年同期比 8.9% 減少、セグメント利益は 96.5% 減少したバンダイナムコホールディングス。

『ドラゴンボール』や『ワンピース』など主力アプリが国内外で安定的に推移し、『アーマード・コア』シリーズ最新作である『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』も人気となった一方で、オンラインゲーム新作が計画を“大幅に下回り”、また昨年大ヒットした『エルデンリング』の反動減も響きました。

バンダイナムコは今期投入したオンラインゲームの新作タイトル等に関わる評価損と、タイトル編成の見直しを行ったことによる処分損の計上も発表。

「今後は、バランスの取れた最適なタイトルポートフォリオの構築、開発体制の精査を行うとともに、クオリティを重視した開発を強化してまいります」と説明しています。

5タイトル以上が開発中止に

家庭用ゲームの販売本数は前年同期が3871.1万本だったのに対し、今期は2915.3万本。リピートタイトルは前年同期2742万本に対して、今期は2108万本でした。

バンダイナムコは決算説明会においてより具体的に、タイトル編成の見直しで5タイトル以上を開発中止にしたことを明らかにしています。第3四半期累計期間(2023年4〜12月)での評価損・処分損の額は約 210 億円。この大半がオンラインゲーム関連であるとしています。また開発体制の変更にともない、技術研究費が増加。人件費を含む固定費も増加しています。

ポートフォリオの再編成

「前期下期より開発体制を変更しており、開発を進めるための基準をより厳しく設定し、タイトルの絞り込みや、開発費の計上方法を変更しました。これに伴う技術研究費が年初の想定より多く発生しています。ゲーム開発の長期化により、投資から回収までの時間も長くなっているため、タイトルの絞り込みに加え、戦略的にワールドワイドで展開するものや、ライト層向けのカジュアルなタイトルなど分類に応じた最適なポートフォリオ編成を検討しています」

デジタル事業の開発体制については、従来からのタイトル審査会に加え、サポート委員会を導入。タイトルの審査の厳格化を進めているといいます。

「また多角的な視点をふまえた最適なタイトルポートフォリオをもとに、戦略的に展開していきます。このほか、開発スタジオのバンダイナムコスタジオとの連携を深め、開発全体の管理を強化します」

『鉄拳』シリーズ最新作の『鉄拳8』も 200 万本に迫るセールスを見せていますが現時点では費用先行。来期の利益貢献を見込んでいるとのこと。開発中のタイトルラインナップとして、『エルデンリング』の大型ダウンロードコンテンツや、『ドラゴンボール』の新作ゲーム(Sparking! ZERO)などを準備していると強調しています。今期明らかな不振だったオンラインゲームについても、「競争が激しいですが、市場の可能性があるため、今後も取り組んでまいります」としています。

ゲーム事業に関しては「ゲームに関わる年間の開発投資については、ほかのカテゴリーとのバランスを含めて検討しますが、大きな変動はないと考えています」と述べ、引き続きゲームビジネスへの投資を続けていく考えを示しました。

【PS5】鉄拳8
メーカー: バンダイナムコエンターテインメント

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