セガサミーホールディングスが発表した2024年3月期第3四半期決算(2023年4月〜2023年12月)によると、主力のエンタテインメントコンテンツ事業におけるコンシューマ分野において、Q3(10〜12月)新作の一部が期待を下回りました。
この販売不振を主な理由としてセガサミーは通期の業績予想を下方修正しています。
セガは修正理由について、「コンシューマ分野において第3四半期に『ソニックスーパースターズ』や『ENDLESS Dungeon』『Total War: PHARAOH』等の新作タイトルを発売したものの、年末商戦での販売が低調に推移した」と報告。またこうした販売状況を受けて「棚卸資産の評価減に伴う損失を計上したこと等により、売上高・経常利益ともに前回予想を下回る見込みとなった」としています。
第3四半期は上記タイトルのほか、『Football Manager 2024』『龍が如く7外伝 名を消した男』『ペルソナ5 タクティカ』も発売されました。
セガは「エンタテインメントコンテンツ業界ではコンシューマ分野において、インフレ等による経済環境の悪化から欧米を中心とした市場の拡大は踊り場を迎えている」と説明。また「ゲーム開発コストの上昇が続いており、こうした事業環境の変化への対応が急務となっております。一方で、サービス提供形態の多様化により、デバイス・プラットフォームを問わず、全世界に向けてより長期にわたってコンテンツ・サービスを届ける環境が整ったことから、ゲーム市場の成長に対する期待は継続している」と述べています。
セガは主要IPとして決算資料のなかで『ソニック』『Total War』『ペルソナ』『龍が如く』を挙げています。2023年4〜12月の売上は、『ソニック』は前年同期比170万本マイナスの505万本、『Total War』は同26万本マイナスの149万本、『ペルソナ』は同63万本プラスの267万本、『龍が如く』は同98万本プラスの271万本でした。
セガはタイトル個々の売上や評価は明らかにしていないものの、数字を見るとソニックシリーズの影響が大きそうです。セガは『ソニック スーパースターズ』の初動に関して 11 月に、“同時期の他社大型タイトルの影響が大きいと考えている”と任天堂の『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』の影響を受けたことを示唆するコメントを残しています。
『ソニック スーパースターズ』は2023年10月17日に発売。『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』はその1週間後、2023年10月20日に発売されました。