ポケモン、新作の発売ペースを維持しながら高品質を確保する方法を模索している


ポケットモンスター スカーレット・バイオレット

 

毎年のように新作がリリースされる『ポケットモンスター』シリーズ。リリースペースを守ることが仇となり、特に最近のタイトルで、発売時点では必ずしも完成度が高いとはいえず荒削りな状態であることも増えてきました。クオリティを保つために、発売ペースを少し遅らせる必要があるのではとの意見も見られます。

株式会社ポケモン(The Pokémon Company、通称:株ポケ)は今後のポケモンシリーズについて、定期的に新作を出すこれまでの発売スケジュールを守りながら、高品質であることを保証する方法について、社内でより多くの対話を行っているといいます。代表取締役の宇都宮崇人氏が横浜で開催されたポケモンワールドチャンピオンシップスで、メディアの取材に応じました。

ComicBook.com は宇都宮氏に対して、「これまでポケモンブランドとして新作をリリースする際に守らなくてはならない特定のスケジュールがあるのか」と質問。

宇都宮氏は過去のポケモンタイトルのリリース間隔について「コンスタントに発売してきました。常に定期的に製品をお届けする、かなり固定されたリズムと言えるかもしれない」と回答。「絶え間なくポケモンシリーズの新作をリリースし、お客様に新しい体験をしていただく。というのがこれまでのポケモンのやり方でした」

ただファンの期待や要求はますます大きくなり、以前に比べゲームも大規模化。開発チームは巨大になり、開発期間も長期化する傾向にあります。株ポケは今後、品質と発売スケジュールのバランスをどうとっていくのでしょうか。

宇都宮氏によると株ポケ内でも議論が交わされているようです。株ポケでは従来のやり方がまだ残っているものの、開発環境が変化しているなかで、クオリティを保証しながら定期的な新作リリースを続けていくにはどうすればいいのかという話もますます増えてきているとのこと。

『ポケットモンスター』シリーズの本編完全新作は 3 年ないし 4 年、その間にマイナーチェンジ版や過去作品のリメイクが発売されるというのが初代から続く恒例の流れとなっています。本編の開発の中核を担うのはゲームフリークで、毎年のように何らか新作を発売し続けています。

Nintendo Switch 時代に入り、少し変化の兆しも見られます。2019年の『ポケットモンスター ソード・シールド』ではマイナーチェンジ版ではなく本編を拡張する追加コンテンツが選択され、2020 年に配信されました。2021年の『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』では本編シリーズとして初めて、ゲームフリーク、クリーチャーズではない会社、ILCA が開発を担当しました。

ゲームフリークとしては少し開発期間に余裕ができたかに見えました。

ところが 2022 年は 1 月に『Pokémon LEGENDS アルセウス』、11月に完全新作の『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』と1年のうちに本編の完全新作を 2 作品発売(『Pokémon LEGENDS アルセウス』は『ポケットモンスター』冠ではないものの、公式に本編扱い)。2023 年は『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』の追加コンテンツが予定されており、以前の通りのハイペース。


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