セガサミーホールディングスは2023年4月17日、モバイルゲーム『アングリーバード』で知られるフィンランドに本社を置くゲーム開発会社 Rovio Enteretainment の買収で合意したと発表しました。英国子会社のセガヨーロッパを通じて株式公開買い付けを行い、買収総額は7.06億ユーロ。1ユーロ146.9円換算で、日本円にして約1036.8億円。『アングリーバード』を持つロビオを傘下にすることで知的財産(IP)をプラスし、ポートフォリオを拡充するとともに、開発体制の強化や運営ノウハウを得ます。
セガサミーは2024年3月期までの中期計画においてエンタテインメントコンテンツ事業のコンシューマ分野(家庭用ゲームやモバイルゲームなど)を成長分野と位置付けており、既存 IP のグローバルブランド化による収益基盤の増強や、マルチプラットフォーム展開、メディアミックスによるユーザーエンゲージメントの強化などの取り組みを進めています。
また2026年3月期までに総額2,500億円程度を成長投資として充当することも検討していて、その中でもコンシューマ分野では開発リソースを強化したり、新たなエコシステムに対する投資の実施を検討してきました。
セガサミーは発表で、ロビオが持つモバイルゲームの運営ノウハウをセガの既存タイトルや新規タイトルに活用していくほか、セガとロビオ両社が保有する世界的なキャラクターについて(セガはたとえば映画も世界的ヒットを記録している『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』)多面的なメディア展開を進め相互のファンベースの拡大を加速させることを目指すとしています。
ロビオの業績は、ここ数年は年売上高約3億ユーロ、純利益 2,500 万ユーロ前後が続いています。直近、2022年12月期の売上高は3.2億ユーロ、純利益は2,287万ユーロ。買収額に見合った投資となるかどうかは、『アングリーバード』の収益だけでなく相乗効果がカギとなりそうです。