『マリオ+ラビッツ ギャラクシーバトル』は悪い意味で想定外の売れ行き、年末年始に伸びずUbisoftの期待を下回る


 

1,000万人以上のプレイヤーを獲得した Nintendo Switch ソフト『マリオ+ラビッツ キングダムバトル』の続編として発売された『マリオ+ラビッツ ギャラクシーバトル』。2022年秋冬の期待の新作でしたが、パブリッシャーの Ubisoft によると初動売上は悪い意味での“驚き”であり、想定を下回る滑り出しだったようです。

Ubisoft は2023年1月11日、インフレによる消費の減速など足元の厳しい市場環境を反映し2023年3月期第3四半期の業績見通しを引き下げると発表。修正前8億3,000万ユーロから修正後7億2,500万ユーロへ下方修正しました。通期目標も従来の10%以上の増加から一転して10%以上の減少となる見通し。

2023年3月期第3四半期(2022年10-12月)、Ubisoft は『マリオ+ラビッツ ギャラクシーバトル』や『Just Dance 2023』といった注目作を発売。『マリオ+ラビッツ ギャラクシーバトル』に関してはユーザー評価が高く、マーケティングも積極的に実施。しかし年末年始商戦期に期待ほど売上が伸びず、低調な結果となったことに驚いたと同社 CEO の Yves Guillemot 氏は述べています。Just Dance 2023』も同様に低調で、この2タイトルは第3四半期不振のやり玉に挙げられています。

『マリオ+ラビッツ ギャラクシーバトル』は海外では2022年10月、日本では12月に発売。任天堂のマリオとUbisoftのラビッツがコラボレーションしたターン制ストラテジー&アドベンチャーゲームの第2弾。前作の成功を受けて開発体制が強化され、スケールアップした冒険・探索・バトル、掛け合いを楽しむことができます。

2022年10月には『God of War Ragnarök』や『Call of Duty: Modern Warfare 2』、11月には『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』といった注目度の高いタイトルが発売されました。

消費者に余裕がないときには著名ブランドに関心が集中し、小さなものには目が向かなくなると Guillemot 氏は指摘。

2022年はコロナ禍に続いてウクライナ危機、世界的なインフレなどの影響から個人消費が縮小。結果としてメガブランドやライブサービスに需要が集中し、その他の商品への支出が減少することとなった。高品質なタイトルが伸び悩むのをいくつも見てきたとしています。

それでも Guillemot 氏は『マリオ+ラビッツ』新作の今後のセールスに関して、まだポジティブに捉えているようです。目標とする販売数は開示していないものの「ラビッツについて言えることは、このゲームがプレイヤーに高く評価されているということです。コミュニティの評価も素晴らしいものです。我々としては長期的に見てこのゲームが良い数字を残すだろうと感じています。ただ、初動に関しては期待したものとは全く異なっていました」

なおこの報告の中で、2023年3月に発売予定だった新規オープンワールド海戦アクション『Skull and Bones』の再延期も発表。より磨きをかけ、バランスの取れた体験を提供するためにさらなる開発期間が必要だとし、加えてタイトルの認知度を高めるため、発売時期を2024年3月期(2023年4月〜2024年3月)の前半にリリースする予定だとしています。大型タイトルの延期も、通期目標の下方修正の一因となりました。


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