任天堂、4K対応スイッチをめぐる報道をすぐに否定「事実ではありません」


Nintendo Switch(有機ELモデル)

 

ブルームバーグは2021年9月30日、「ゲーム会社、任天堂スイッチの4K対応ソフトを開発中-機材配布」(望月崇、Olga Kharif)という記事を配信。いくつかのメーカーは 4K 解像度に対応した新たなゲーム開発キットを任天堂から提供されており、4K 対応のソフトを開発中だと報じています。任天堂はこの報道内容を即座に否定しています。

また10月8日に発売する「Nintendo Switch(有機ELモデル)」以外に、新たなモデルの計画はないと改めて強調しています。

ブルームバーグの報道内容は事実でない

現行 Nintendo Switch が対応する出力解像度は最大で 1080p(フルHD)。10月に発売の「Nintendo Switch(有機ELモデル)」でも基本性能に変更はありません。

ブルームバーグによれば任天堂から新たに提供されているNintendo Switch の開発キットは現行 Switch の限界を上回る 4K 解像度の出力に対応しており、大手から小規模まで少なくとも 11 のメーカーがこのキットを入手し 4K 対応商品を開発しています。4K対応モデルの発売は早くても来年後半以降になる見通しとのこと。

この記事の日本語版が配信されたのは9月30日の午前6時。この報道を受けた任天堂は午前9時4分に、報道内容を公式ツイッターで否定しました。

任天堂は報道内容について、“事実ではありません” と否定。加えて、10月8日に発売する「Nintendo Switch(有機ELモデル)」以外に、新たなモデルの計画はないとの見解を示しています。

任天堂は噂や憶測に関する記事に対して公に反応することは多くありませんが(「噂や憶測にはコメントしません」が典型的な回答)、ブルームバーグに対しては7月にも「Nintendo Switch(有機ELモデル)で利益率が向上する」とした報道を否定しています。

[nlink url=”https://t011.org/game/183671.html”]

Nintendo Switch Pro あるいは New Nintendo Switch などと呼ばれる性能が向上した Nintendo Switch に関する噂が出回りはじめたのは、現在 Nintendo Switch Lite として発売されているモデルの話が出始めた 2018 年ごろから。4K 画質に対応するなどした性能向上版が投入されるとされていました。

以来、新型スイッチの噂はたびたび持ち上がり(国内では同じ記者によってしつこく記事にされ続けているのですが)、そしていつのまにか消えていくということを繰り返しながら2021年。いよいよ登場かと盛り上がったところで任天堂が発表したのは基本性能に変更はない「Nintendo Switch(有機ELモデル)」でした。

これでもう何度目となるのか。Switch Pro の噂はすぐに打ち砕かれることとなりました。

勢いを保ったまま 5 年目に突入

任天堂ハードのライフサイクルは通常 5 年ほどですが、Nintendo Switch は勢いを保ったままその 5 年目に突入。

ここまで明確に高性能化したモデルの投入はまだなく、通常モデルがバッテリー持続時間を長時間したモデルに置き換わったほか、携帯特化の Nintendo Switch Lite と、色鮮やかな大画面で携帯モード・テーブルモードを楽しめるなどする Nintendo Switch (有機ELモデル) という、ユーザーのプレースタイルに応じたバリエーション追加にとどまっています。

とはいえ、500〜600億円前後だった任天堂の研究開発費はこのところ増加傾向にあり(2020年3月期は841億円、2021年3月期は932億円、2022年3月期は950億円予定)、新作ソフト開発体制を整えたり将来に向けたサービスへ振り向けるだけでなく、数年後には登場することになるだろう新型ハードの研究・開発も進んでいることを思わせます。

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