2017年3月3日に任天堂が発売した家庭用ゲーム機「Nintendo Switch (ニンテンドースイッチ)」。任天堂は過去ハードでソフトのリリース間隔が空いてしまい、勢いが失速してしまうことを何度も経験している反省から、定期的にソフトをリリースできる体制をスイッチでは整えてきました。
実際スイッチでは、2017年は本体同時発売ソフトとして『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』と『1-2-Switch』『いっしょにチョキッと スニッパーズ』を用意し、4月に『マリオカート8 デラックス』、6月に『ARM』、7月『スプラトゥーン2』、9月『ポッ拳 DX』、10月『スーパーマリオ オデッセイ』、12月には『ゼノブレイド2』と大きな空白を作ることなく走り続けることに成功しています。
2017年に発売されたスイッチ用ソフトの大半は任天堂開発の内製でした。過去の任天堂ハードでソフトラインナップを支えた関連会社や関係会社は、ニンテンドースイッチに対してどのように取り組んでいるのでしょうか。可能な範囲で調べてみました。
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任天堂
まずはファーストの任天堂ソフトをおさらい。2015年9月に組織再編を行い、ゲームソフト開発部門の情報開発本部(EAD)と企画開発本部(SPD)とが統合され、企画制作本部(Nintendo Entertainment Planning & Development, EPD)が設立されました。
任天堂ハードの普及のキモは、任天堂がいかに魅力的なソフトを供給し続けられるかにあります。任天堂もそれを理解しており、ローンチから主力タイトルを定期的に発売。スイッチの躍進につながりました。
京都
- ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド
- 1-2-Switch
- マリオカート8 デラックス
- ARMS
- スプラトゥーン2
- Nintendo Labo
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東京
- スーパーマリオ オデッセイ
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モノリスソフト
任天堂の完全子会社で、東京と京都にスタジオを構えるモノリスソフト。部分受託として『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』『スプラトゥーン2』開発に携わったほか、『ゼノ』を冠する RPG シリーズの新作として『ゼノブレイド2』を開発。2017年12月1日に発売しました。
- ゼノブレイド2
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レトロスタジオ
『メトロイドプライム』シリーズや『ドンキーコング』アクションゲームを開発する、任天堂の海外開発拠点レトロスタジオ。2014年の Wii U 用ソフト『ドンキーコング トロピカルフリーズ』の開発終盤から、新作に取り掛かっているという話が出ていますが、そのプロジェクト詳細は未だ明らかになっていません。Nintendo Switch では『ドンキーコング トロピカルフリーズ』移植が発売。オリジナル版の開発元ですから少なからず関わっているかもしれませんが、メインのプロジェクトは謎に包まれています。
- ドンキーコング トロピカルフリーズ
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1-UPスタジオ
ブラウニーブラウンから社名変更した任天堂完全子会社の1-UPスタジオ。彼ら自身が新作を手がけるというよりも、任天堂グループ会社として、主に東京制作ソフトの開発協力を行っています。最近関わったタイトルは『スーパーマリオ オデッセイ』。
エヌディーキューブ
任天堂子会社のエヌディーキューブは、主に『マリオパーティ』シリーズなどのパーティゲームを担当。『どうぶつの森 ポケットキャンプ』の開発元の1つでもあります。今のところスイッチ向けの発売予定ソフトはありません。
NST (Nintendo Software Technology)
Nintendo Software Technology (NST) は任天堂アメリカ内に拠点をおく、任天堂の北米開発スタジオの1つ。以前は据置も担当していましたが、最近は携帯機向けのソフト開発が増えています。2016年に『スーパーマリオメーカー for Nintendo 3DS』を発売。スイッチ向けタイトルのアナウンスはまだありません。
HAL研究所
『星のカービィ』シリーズを中心に、カービィの派生作品や『MOTHER』シリーズなどを開発しているHAL研究所(ハル研)。カービィ新作開発で躓いた時期を乗り越え、精力的に新作をリリースしています。最近は『ハコボーイ』シリーズやスマホ向けに『はたらくUFO』も発売。
スイッチ向けには『星のカービィ スターアライズ』を2018年3月に発売。『星のカービィ』はそのハードの中後期に出るのが多いシリーズですが、スイッチではハード発売から1年で新作が出るという異例のスピード対応となりました。
- 星のカービィ スターアライズ
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ポケモン
『ポケットモンスター』RPGシリーズ本編やポケモン関連作品を発売する株式会社ポケモン。本編を担当するゲームフリークや派生作品のクリーチャーズその他、多くの企業がポケモン作品に関わっています。
本編RPGシリーズのニンテンドー3DS向け展開は、『ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン』で一区切り。ゲームフリークが次に向かうのはニンテンドースイッチです。“コアRPG” の『ポケットモンスター』シリーズ新作がスイッチ向けに開発中。
株式会社ポケモンとしてはバンダイナムコの鉄拳チームとのコラボタイトル『ポッ拳』のスイッチ版を発売。携帯機向けラインがすべてスイッチに移行するのであれば、その他のポケモン関連シリーズもスイッチで数多く見ることができるかもしれません。
- ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENT DX
- ポケットモンスター シリーズ 新作
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インテリジェントシステムズ
インテリジェントシステムズは、任天堂のゲーム機向けに開発支援ツールやゲームソフトを長年開発しているセカンドパーティー。任天堂と資本関係はないものの、古くから密接な関係を保っています。通称IS、イズさん。代表シリーズは『ファイアーエムブレム』や『ペーパーマリオ』『メイド イン ワリオ』『ファミコンウォーズ』など。『パネルでポン』や『引ク押ス』といったパズルゲームも開発しています。ニンテンドースイッチ向けには『ファイアーエムブレム』の最新作を開発中。
- ファイアーエムブレム 完全新作
アルファドリーム
アルファドリームは、主に『マリオ&ルイージRPG』シリーズを開発しているスタジオ。まだスイッチ向けプロジェクトの発表はなく、ニンテンドー3DS向けに『マリオ&ルイージRPG』を展開しています。最新作は『マリオ&ルイージRPG3!!!』のニンテンドー3DS向けリメイク、『マリオ&ルイージRPG3 DX』で、2019年に発売予定。スイッチ向けプロジェクトはまだ先になりそうです。
キャメロット
任天堂ゲーム機向けには『マリオゴルフ』や『マリオテニス』といったタイトルを中心に開発するキャメロット。少し間隔が空いた時期もありましたが、最近は再び『マリオテニス』『マリオゴルフ』シリーズの開発に戻ってきました。ニンテンドースイッチ向け第1弾は2018年6月発売予定の『マリオテニス エース』。
- マリオテニス エース
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グッド・フィール
『ワリオランドシェイク』以降、任天堂ソフトを開発しているグッド・フィール。梅崎重治氏や蛭子悦延氏をはじめ、コナミで『がんばれゴエモン』シリーズに携わったスタッフが多いことから、アクションゲームが得意な会社です。『ヨッシー ウールワールド』に続いて、ヨッシー主演アクションの新作をスイッチ向けに開発中です。
- ヨッシー for Nintendo Switch (仮称)
グレッゾ
ニンテンドー3DSで『ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D』と『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面 3D』を任され、さらには新規タイトル『Ever Oasis 精霊とタネビトの蜃気楼』を発売したグレッゾ。最新プロジェクトの詳細はまだ明らかになっていませんが、「一緒に伝説を作りませんか 2」と題して、HDゲーム開発に向けた人材を募集しているなど、スイッチ向けの取り組みを開始していると思われます。前回の「一緒に伝説を作りませんか」は『ムジュラの仮面3D』に関する募集だったので、ひょっとすると今回の「2」も、何らかのゼルダ関連かもしれません。
Next Level Games
『マリオストライカーズ』シリーズなどを開発し、『ルイージマンション2』の成功で任天堂のセカンドとなったカナダのデベロッパー Next Level Games (ネクストレベルゲームズ)。直近作は2016年のニンテンドー3DS用ソフト『メトロイドプライム フェデレーションフォース』。次のタイトルはまだ明らかになっていません。
Monster Games
Monster Games は、『エキサイトトラック』や『エキサイト猛マシン』、『ドンキーコング リターンズ 3D』『Newニンテンドー3DS専用 ゼノブレイド』などを手がけた開発スタジオ。『ドンキーコング リターンズ 3D』の仕事ぶりを買われ、『ドンキーコング トロピカルフリーズ』の開発にも参加しました。現在のプロジェクトは不明ながら、2016年には、レースゲームと思われる新作タイトルに取り組んでいることが明らかになっています。
アーゼスト
ニンテンドー3DSでは『ヨッシー New アイランド』や『Hey! ピクミン』などを手がけたアーゼスト(旧アートゥーン)。任天堂からスイッチ向けプロジェクトを任されているかどうかは不明ながら、パズルゲーム『BOOST BEAST』がアークシステムワークスから発売されています。
大宮ソフト
『カルドセプト』シリーズなどを手がける大宮ソフト。ニンテンドー3DSで2013年1月に『カルドセプト』、2016年7月に『カルドセプト リボルト』が発売されています。スイッチ向けプロジェクトは不明ですが新作を見られるでしょうか?
シンソフィア
任天堂発売のタイトルとしては『GIRLS MODE (ガールズモード)』シリーズを手がけるシンソフィア。『Girls Mode 4 スター☆スタイリスト』が2017年11月に発売されたばかりなので、人気シリーズのスイッチ展開があるとしてもまだ先になりそうです。シンソフィアが手がけるスイッチソフトとしては『プリパラ オールアイドル パーフェクトステージ!』が2018年3月にタカラトミーから発売されています。
プラチナゲームズ
Wii U で『ベヨネッタ2』や『The Wonderful 101』、『スターフォックス ゼロ / スターフォックス ガード』を開発したプラチナゲームズ。ニンテンドースイッチ向けに『ベヨネッタ2』『ベヨネッタ』を移植したほか、現在は最新作の『ベヨネッタ3』を開発中です。
- ベヨネッタ3
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Kuju Entertainment
任天堂から発売されるタイトルとしては『絵心教室(アートアカデミー)』などを手がける Kuju Entertainment。ニンテンドースイッチはタッチスクリーンを備えているためペイントソフトの開発も可能でしょうが、Kuju が VR / AR 方面へシフトしていることや、『絵心教室』シリーズが以前ほどの人気を獲得できていないこと、任天堂がスイッチを “ゲーム専用機” であると強調していることもあり『絵心教室』シリーズの存続は不透明な状況です。