1990年代、アメリカの家庭用ゲーム機市場で激しい普及競争を繰り広げた、任天堂の「スーパーファミコン(Super Nintendo Entertainment System, SNES)」とセガの「メガドライブ (Genesis)」。
任天堂とセガ、当時の企業戦争の内幕を描いたノンフィクション本『セガ vs. 任天堂――ゲームの未来を変えた覇権戦争』が、早川書房より上巻404ページ、下巻440ページという大ボリュームで発売。
帯を見るに、上巻は「弱小企業セガは、巨人・任天堂をいかにして打ち破ったのか?」をテーマに、下巻は「絶対王者・任天堂から王座を奪ったセガは、なぜ転落していったのか? 」をテーマに、それぞれ書かれているようです。
市場を色んな意味で圧倒支配していた巨人・ニンテンドーに挑む、当時は弱小メーカーだった怖いもの知らずのセガという、ジャイアントキリングを目論む構図は非常に興味深いものがあります。
ソニックとマリオの対比など、背伸びしたい年頃に訴求する巧みな広告戦略などもあり(もちろんハードとソフトの魅力が前提としてあるのだけれど)、セガのメガドライブは北米市場で16ビット機時代をリードし、スーパーファミコンを上回るシェアを獲得。ただこの日本とは異なる大ヒットが、セガを悩ませることになっていきます。
弱小企業セガは、巨人・任天堂をいかにして打ち破ったのか? ソニー・ピクチャーズ映画化予定の傑作ビジネス・ノンフィクション!
1990年、任天堂はアメリカにおける家庭用ゲーム機市場の90%超を握る圧倒的な存在だった。一方、セガは大いなる野心を秘めた注目株だったものの、アーケードゲーム専門の中小メーカーにすぎなかった。だが、トム・カリンスキーがセガ・オブ・アメリカのC EOに就任したのを機に、潮目が変わりはじめる――。
「チーム・カリンスキー」が次々に繰り出す常識破りの奇策は、セガと任天堂の間に莫大な収益をめぐる「仁義なき戦い」を引き起こした。ソニックとマリオ、日本とアメリカがにらみ合い、家庭から米連邦議会に至るまで、あらゆる戦場で繰り広げられた激闘の 行方は? 600億ドル産業を生み出した企業戦争の内幕に、200人を超える取材で迫る痛快群像ノンフィクション。
絶対王者・任天堂から王座を奪ったセガは、なぜ転落していったのか?
カリンスキーたちの大胆な戦略が功を奏し、セガはアメリカ市場で任天堂からシェアを奪い、業界トップに躍り出る。だが、両社が死闘を演じている間に、彼らはより深刻な対立に苦しんでいた。それは、セガ・オブ・アメリカと日本のセガ本社の間で起きつつあった内紛で、やがて想像を絶する「お家騒動」へとエスカレートしていく。
革命的ゲーム機「ジェネシス(メガドライブ)」で市場を席巻する風雲児セガ、「SNES(スーパーファミコン)」と人気ソフトで巻き返しを図る巨大帝国・任天堂、そして、次世代機「プレイステーション」で参入の機をうかがう新星ソニー――三つ巴のゲーム界「三国志」を制し、覇者となるのは誰か? 個性あふれる登場人物、熾烈な駆け引き、息をもつかせぬ展開で、隆盛期のゲーム業界に集った人々の栄光と挫折を描く壮大なサーガ。