Eurogamerの取材の中で、『ピクミン』新作を開発中であることを明らかにした任天堂・宮本茂氏。インタビューでは『スーパーマリオギャラクシー』シリーズの話も出ていて、任天堂自身も新作の機会を探っていることが、改めて明らかにされました。
Contents
誰もが楽しめる3Dアクションを
宮本氏によると、任天堂の中でも『ギャラクシー』を始めとする3Dマリオ路線は議題に上ることが多いそうです。ただ任天堂には、本来誰もが遊べるアクションゲームであるはずの『スーパーマリオ』が『スーパーマリオ64』で引き起こした、3Dフィールドになったことによる難易度上昇や、少なくない数が報告された3D酔いで拒絶反応が起きたトラウマが根深いようで。
『マリオ64』の反動が、誰もが楽しめる2Dマリオに回帰した『New』シリーズを開発したきっかけにもなっているのだとか。
ただ、そうした中でも、任天堂は3Dマリオを諦めていません。3Dマリオを好きな人と2Dマリオを好きな人、双方が満足できる妥協点を模索。その結果たどり着いたのが、マップは3Dでありながら2Dマリオのルールを踏襲し、ゴールへの進路が分かりやすい『3Dランド』であり『3Dワールド』でした。
本格的な3Dアクションへのチャレンジ
「一方で、僕や小泉(『スーパーマリオギャラクシー』のディレクターなどを担当)は、常に『ギャラクシー』やその他3Dアクションタイトルへのチャレンジを考えています。けれども僕たちは、一度に並行してそんなに多くのゲームを作ることができません。ですがハードウェアの技術は日進月歩ですから、両方のオプションの機会がこれからたくさんあるのではないかと考えています」と宮本氏はコメント。
『3Dワールド』発売時の社長が訊くにもあったように、任天堂は決してチャレンジングな3Dマリオ路線を捨てたわけではありません。最近のヒットタイトルである新規IPの『スプラトゥーン』が多くのユーザーを獲得し、3Dカメラに慣れる任天堂ユーザーを増やしていることは、『ギャラクシー』路線のファン層拡大に一役買うのではとも宮本氏は考えているようです。
3Dマリオの新作はいつになるのか
それでは新作はいつになるのでしょうか。Wii U で発売される可能性は。宮本氏は Wii U の性能に関して、
「Wii U はハードウェアのパフォーマンス面で、間違いなく十分なものを備えています。たとえば『スターフォックスゼロ』では、テレビとGamePad両画面で秒間60フレームのレンダリングを実現しています」とコメント。
ただし全面的に肯定しているわけではなく、CPUの処理速度には必ずしも満足していないようです。驚きある『スーパーマリオ』新作の登場には、どうやらより性能・機能が向上したハードの登場を待つ必要がありそうです。
『Newスーパーマリオブラザーズ』の成功以降、任天堂のアクションゲームは、ハード性能の進歩に逆行するように伝統的な横スクロール路線へ急旋回。Wii U でもその傾向が続いていて、マリオに限らず3Dアクションシリーズの革新は停滞しています。
[追記]
『スーパーマリオギャラクシー3』というタイトルではありませんでしたが、任天堂は3Dマリオの最新作『スーパーマリオオデッセイ』を Nintendo Switch 向けソフトとして発表。『スーパーマリオサンシャイン』以来の、大きな箱庭世界を自由に走り回ることができる本格3Dマリオとして2017年冬に発売予定です。