Amazon が今夏日本展開を開始した、月額980円で電子書籍が読み放題になるサービス『Kindle Unlimited』ですが、出版社とトラブルが増えているようです。講談社は3日、同社が提供する1000以上の作品すべてが、一方的に読み放題対象からはずれたとして抗議文を発表しました。
Amazon の想定を上回る立ち上がりだという理由から、サービス開始から一ヶ月経たずに、高額・人気作品が出版社への事前通告なしに読み放題対象から外れるなどし始めた『Kindle Unlimited』。対象書籍の拡充、サービスの充実どころか出版社との軋轢が生じ始めているような。
アマゾン社は、9 月 30 日夜以降、弊社が提供する 1,000 を超える作品すべてを、一方的に同サービスから削除しました。このような状況に、書目を提供してきた出版社として大変困惑し、憤っております。
弊社はこの一連の事態に遺憾の意を示すとともに、アマゾン社の配信の一方的な停止に対して強く抗議いたします。サブスプリクション・モデルと呼ばれる定額のコンテンツ提供サービスの健全な発展のためにも、引き続きアマゾン社には善処を求めてまいります。
via: アマゾン「キンドル アンリミテッド」サービスにおける講談社作品の配信停止につきまして | 講談社 (.pdf)
『Kindle Unlimited』は読者が読んだページに応じて、権利者へ料金が支払われる仕組みなのだそう。日本のサービスでは2016年いっぱいは上乗せ料金を支払う特別な契約も含まれているということで、比較的短時間で読めるコミック作品などジャンルが多い日本市場では後者の負担が大きかったと。
講談社以外の出版社も『Kindle Unlimited』への提供作品が減少。小学館の作品は8月末時点で600作品あったのが、10月3日時点で430作品に。白泉社や光文社の作品もすべて読み放題対象から外れているということです。