任天堂は2022年5月10日、2022年3月期(2021年4月〜2022年3月)の決算を発表。世界的な半導体不足や流通網の混乱、巣ごもり需要の縮小といった逆風の中、Nintendo Switch は好調な販売が続いていますが、前期比で減収減益となりました。
売上高は1兆6,953億円(▲3.6%)、営業利益は5,927億円(▲7.5%)、経常利益は6,708億円(▲1.2%)、純利益は4,776億円(▲0.6%)でした。
Nintendo Switch の販売台数は2,306万台(▲20.0%)。ソフトの販売本数は2億3,507万本(+1.8%)となり、年間のソフトウェア販売本数として任天堂の歴代プラットフォームで過去最大となりました。
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任天堂 2022 年 3 月期決算まとめ
- 売上高 : 1兆7,953億4,400万円(▲3.6%)
- 営業利益 : 5,927億6,000万円(▲7.5%)
- 経常利益 : 6,708億1,300万円(▲1.2%)
- 純利益 : 4,776億9,100万円(▲0.6%)
- Nintendo Switch* : 1兆6,027億2,500万円(▲3.8%)
- その他 ゲーム専用機** : 365億200万円(+8.5%)
- モバイル・IP関連収入等*** : 533億4,200万円(▲6.5%)
- その他(トランプほか) : 27億7,300万円(+55.9%)
- ゲーム専用機に含まれるデジタル売上高**** : 3,596億円(▲4.5%)
* ハード・ソフト(パッケージ併売ダウンロードソフト、ダウンロード専用ソフト、追加コンテンツ、Nintendo Switch Online含む)・アクセサリ。
** Nintendo Switch以外のゲームプラットフォームやamiibo等。
*** スマートデバイス向け課金収入、ロイヤリティ収入等。
**** パッケージ併売ダウンロードソフト、ダウンロード専用ソフト、追加コンテンツ、Nintendo Switch Online等の売上高。
- Nintendo Switch : 2,306万台(▲20.0%)
- うち Nintendo Switch : 1,356万台(▲33.3%)
- うち Nintendo Switch(有機ELモデル) : 580万台
- うち Nintendo Switch Lite : 370万台(▲56.5%)
- ソフト : 2億3,507万台(+1.8%)
※ソフトの販売数量は、パッケージソフト及びパッケージ併売ダウンロードソフトの数量。ダウンロード専用ソフト及び追加コンテンツは含みません。
※ソフトの販売数量実績は、ハードに同梱して販売した数量を含みます。
※ソフトのタイトル数はパッケージソフトの本数。
2022年3月期(2021年4月〜2022年3月)のNintendo Switchはハードウェアが2,306万台、ソフトウェアが2億3,507万本を販売。ハードウェアでは2021年10月に発売された「Nintendo Switch(有機ELモデル)」が各地域で好調に推移して580万台を販売しています。通常モデルは1,356万台、Liteは370万台でした。
6年目に入るハードとしては依然として好調ではあるものの、前期発売の『あつまれ どうぶつの森』の反動減があったほか、世界的な半導体不足や物流の混乱等が響き、売上は頭打ちに。2度引き下げた目標をなんとかクリアしました。ただしこうした状況でも、年度の販売台数は発売開始以来2番目の高水準。
ソフトウェアでは『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』が1,465万本、『Pokémon LEGENDS アルセウス』が1,264万本とそれぞれ1,000万本以上の販売を記録し、2つのポケモンタイトルが牽引。このほか『マリオパーティ スーパースターズ』が688万本、『ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD』が391万本を記録しています。
年末年始商戦を経て定番タイトルの売れ行きも好調です。『マリオカート8 デラックス』は994万本、『あつまれ どうぶつの森』は601万本、『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』は433万本、『ルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は428万本など、新作級の勢いを保っています。
新旧好調なタイトルが多く、この期に達成した2億3,507万本という実績は任天堂の歴代のプラットフォームで過去最大の本数でした。
ミリオンセラータイトル
- ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール – 1,465 万本
- Pokémon LEGENDS アルセウス – 1,264 万本
- マリオカート8 デラックス – 994 万本(4,533万本)
- マリオパーティ スーパースターズ – 688 万本
- あつまれ どうぶつの森 – 601 万本(3,864万本)
- 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL – 433 万本(2,817万本)
- ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド – 428 万本(2,655万本)
- リングフィットアドベンチャー – 398 万本(1,409万本)
- ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD – 391 万本
- スーパーマリオ 3Dワールド + フューリーワールド – 384 万本(943万本)
- ポケットモンスター ソード・シールド – 318 万本(2,427万本)
- スーパー マリオパーティ – 299 万本(1,778万本)
- メトロイド ドレッド – 290 万本
- New スーパーマリオブラザーズ U デラックス – 286 万本(1,331万本)
- スーパーマリオ オデッセイ – 267 万本(2,350 万本)
- 星のカービィ ディスカバリー – 265万本
- New ポケモンスナップ – 240 万本
- マリオゴルフ スーパーラッシュ – 235万本
- ルイージマンション3 – 183 万本(1,143万本)
- ミートピア – 168 万本
- やわらかあたま塾 いっしょにあたまのストレッチ – 159 万本
- おすそわける メイド イン ワリオ – 127 万本
- ポケットモンスター Let’s Go! ピカチュウ・Let’s Go! イーブイ – 125 万本(1,453万本)
- スプラトゥーン2 – 109万本(1,330万本)
- 世界のアソビ大全51 – 108万本(422万本)
- ナビつき!つくってわかる はじめてゲームプログラミング – 106万本
ゲーム専用機のデジタルビジネスは4.5%増の3,596億円。パッケージ版ソフトのダウンロード版やダウンロード専用ソフトによる売上が好調だったほか、『あつまれ どうぶつの森 ハッピーホームパラダイス』や『マリオカート8 デラックス コース追加パス』などの有料追加コンテンツの販売も伸びたということです。
2023年3月期について
- 売上高 : 1兆6,000億円(▲5.6%)
- 営業利益 : 5,000億円(▲15.6%)
- 経常利益 : 4,800億円(▲28.4%)
- 純利益 : 3,400億円(▲28.8%)
- Nintendo Switch ハードウェア : 2,100万台(▲8.9%)
- Nintendo Switch ソフトウェア : 2億1,000万本(▲10.7%)
2023年3月期の業績は減収減益を予想。売上高1兆6,000億円、営業利益5,000億円、経常利益4,800億円、親会社株主に帰属する当期純利益3,400億円を見込んでいます。引き続き半導体不足や生産・輸送にリスクのある Nintendo Switch ハードは今期から9%減の2,100万台、強力な新作ソフトが控えるソフトは11%減の2億1,000万本の計画。
予想為替レートは、足もとでは大きく円安に触れている中、1USドル115円、1ユーロ125円としています。