任天堂の2021年4-6月は巣ごもり一服と『あつ森』反動減で減収減益、通常スイッチは販売増


 

任天堂は2021年8月5日、2022年3月期の第1四半期決算を発表(2021年4-6月)。売上高は前年同期比 10% マイナスの 3,226 億円。営業利益は 17% 減の 1,198 億円。経常利益は 14% 減の 1,286 億円。純利益は 13% 減の 927 億円でした。

巣ごもり需要が一服したことに加えて、昨年同時期に爆発的な立ち上がりを見せた『あつまれ どうぶつの森』の反動減により、Nintendo Switch 本体販売は 22% 減、ソフトは 10% の減少となりました。

減収減益となったとはいえ、コロナ前(2019年4-6月)と比べると、Nintendo Switch プラットフォームは 3,000 億円以上の売上規模となるなど、依然として高い売上水準、強烈な業績を維持しています。

2021年4-6月 業績

任天堂 2021年4-6月期

  • 売上高 : 3,226億4,700万円(▲9.9%)
  • 営業利益 : 1,197億5,200万円(▲17.3%)
  • 経常利益 : 1,286億1,000万円(▲14.4%)
  • 純利益 : 927億4,700万円(▲12.9%)
セグメント別 売上高

  • Nintendo Switch : 3,000億5,400万円(▲11.6%)
  • その他ゲーム専用機 : 88億7,900万円(+71.1%)
  • モバイル・IP関連収入等 : 131億9,900万円(▲0.6%)
  • トランプ他 : 5億1,400万円(+72%)
  • デジタル売上高 : 759億円(▲24.9%)

※Nintendo Switchプラットフォームの内訳は、ハード・ソフト(パッケージ併売ダウンロードソフト、ダウンロード専用ソフト、追加コンテンツ、Nintendo Switch Online含む)・アクセサリ
※その他ゲーム専用機は、Nintendo Switch以外のゲームプラットフォームやamiibo等
※モバイル・IP関連収入等は、スマートデバイス向け課金収入、ロイヤリティ収入等
※デジタル売上高はゲーム専用機は、パッケージ併売ダウンロードソフト、ダウンロード専用ソフト、追加コンテンツ、Nintendo Switch Online等の売上高。

販売数量

  • Nintendo Switch : 445万台(▲21.7%) / 累計 8,904 万台
  • うち Nintendo Switch : 331万台(+8.5%) / 累計 7,320 万台
  • うち Nintendo Switch Lite : 114万台(▲56.5%) / 累計 1,584 万台
  • ソフト : 4,529万本(▲10.2%) / 累計 6億3,240万本

『あつまれ どうぶつの森』の反動減により、ハード・ソフトともに昨年同時期と比べ減少。特にハードでは Nintendo Switch Lite が前年の 262 万台から 114 万台へと大きく数を減らしたことが響いています。Lite の売上減は海外が顕著で、米大陸では128万台から48万台へ、欧州では79万台から26万台、その他地域でも20万台から5万台となりました。日本は36万台から34万台で微減。

ただ一方で通常の Nintendo Switch は前年 305 万台から 331 万台に増加。Lite の売上が鈍った米大陸では71万台から110万台に増加しました。

デジタル売上高も反動減。昨年同期は四半期で1,000億円の大台を突破しましたが、今期は759億円となっています。発表によると、ソフトウェア売上高に占めるデジタル売上高の比率は46.9%。

モバイル・IP関連収入等では、前年同期比でスマートデバイス向け課金収入が減少。しかしロイヤリティ収入が増加したことで、全体としては前年同期と同水準を保っています。

2021年4-6月のベストセラー

任天堂が4〜6月に発売した新作は『ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者 / うしろに立つ少女』『ミートピア』『ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング』『DCスーパーヒーローガールズ ティーンパワー』『マリオゴルフ スーパーラッシュ』。そしてポケモンから『New ポケモンスナップ』。多くはソフトラインナップのジャンルの幅を広げるような、脇を固める中堅タイトル群です。

そうしたなか、『New ポケモンスナップ』は207万本、『ミートピア』は104万本、『マリオゴルフ スーパーラッシュ』は134万本のヒットを記録。それぞれ好調な滑り出しを見せています。

また定番タイトルが引き続き好調です。『マリオカート8 デラックス』の169万本(累計3,708万本)、『あつまれ どうぶつの森』の126万本(累計3,389万本)など前期以前のタイトルが今期もさっそく100万本以上を販売しています。

なお『あつまれ どうぶつの森』の影響を除いた販売実績は、今期発売ソフトが好調なローンチとなったこともあり、前年同期を超える販売規模になっているということです。

  1. New ポケモンスナップ – 207万本(国内 — / 海外 207 万本)**
  2. マリオカート8 デラックス – 169万本(国内20万本 / 海外150万本)
  3. マリオゴルフ スーパーラッシュ – 134万本(国内21万本 / 海外113万本)
  4. あつまれ どうぶつの森 – 126万本(国内13万本 / 海外113万本)
  5. リングフィット アドベンチャー – 115万本(国内25万本 / 海外89万本)
  6. スーパーマリオ3Dワールド + フューリーワールド – 109万本(国内21万本 / 海外87万本)
  7. ミートピア – 104万本(国内26万本 / 海外78万本)

**国内では株式会社ポケモンが、海外では任天堂が発売・販売

今期予想は変更なし

通期業績予想は、5月の発表から変更なし。売上高1兆6,000億円(▲9%)、営業利益5,000億円(▲22%)、経常利益4,800億円(▲29%)、純利益3,400億円(▲29%)のまま。Nintendo Switch 本体を 2,550 万台、ソフト 1億9,000万本を販売する計画も変更ありません。

なお任天堂は株主還元策の一環として、上限 1,800,000 株(発行済株式総数の1.51%)、上限 1,000 億円とする自社株買いを発表。あわせて、今回の自社株買いで取得する自己株式の全株式数を消却することも発表しています。

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