任天堂は 8 月 6 日、6 月 30 日に終了した 2021 年 3 月期第 1 四半期決算(2020 年 4 〜 6 月)を発表。Nintendo Switch がハード/ソフトともに好調で、純利益が前年同期の6.4倍になるなど大幅な増収増益を達成しています。
売上高は108%増の3,581億円、営業利益は428%増の1,447億円、経常利益は576%増の1,503億円、四半期純利益は541%増の1,065億円でした。
Nintendo Switch 本体の販売台数は前年同期比2.7倍の568万台。国内・米大陸・欧州・その他いずれの地域も昨年の販売実績を大きく上回りました。『あつまれ どうぶつの森』など早くもミリオン多数のソフトも好調で、5,043万本を販売。こちらも昨年の2倍以上の販売規模となりました。
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4-6月のミリオンセラーは7タイトル
4〜6月の3か月間のミリオンセラーは7タイトル。1,063万本を販売した『あつまれ どうぶつの森』は早くも累計2,240万本と、過去最大だった『とびだせ どうぶつの森』の1,255万本を大きく上回っています。
任天堂によると、4〜6月に Nintendo Switch ファミリーを初めて遊んだ人のうち、『あつ森』を遊んだ数は全体の5割以上に上っているとのこと。デジタル販売割合は約5割と高い割合をキープ。
品薄が続いている『リングフィット アドベンチャー』も同梱されている周辺機器の製造数が増えていることから出荷が増加。それに伴い売上も伸びており、7月末時点でのセルスルー(販売店から消費者に販売された数)は400万本を超えているということです。まだ品薄が続いていることから年末商戦に向け十分な数を確保できるよう増産に努めていくとのこと。
- あつまれ どうぶつの森 – 1,063万本(国内331万本 / 海外732万本) – 累計2,240万本
- マリオカート8 デラックス – 197万本(国内28万本 / 海外169万本) – 累計2,674万本
- ゼノブレイド ディフィニティブ エディション – 132万本(国内28万本 / 海外104万本)
- ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド – 119万本(国内10万本 / 海外108万本) – 累計1,860万本
- リングフィット アドベンチャー – 117万本(国内42万本 / 海外75万本) – 累計390万本
- 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL – 115万本(国内 / 海外94万本) – 1,999万本
- 世界のアソビ大全 – 103 万本(国内44万本 / 海外60万本)
なおソフトメーカー(サードパーティ)も含めたミリオンセラータイトルは9タイトルになるとのこと。
- Nintendo Switch : 3,393億4,100万円(+122.3%)
※ハード、ソフト(パッケージ版・ダウンロード版・ダウンロード専用ソフト・追加コンテンツ・Nintendo Switch Onlineを含む)、アクセサリ - その他ゲーム専用機 : 51億8,800万円(▲42.3%)
※Nintendo Switch 以外のゲームプラットフォームおよび amiibo など - モバイル・IP関連収入等 : 132億7,800万円(+32.8%)
※スマートデバイス向け課金収入、ロイヤリティ収入等 - その他(トランプほか) : 2億9,800万円(▲37.2%)
ゲーム専用機に含まれるデジタル売上高 : 1,010 億円(+230%)
デジタル売上高が1,000億円を突破
デジタル売上高は230%増の1,010億円。ソフト売上高に占めるデジタル売上高の比率、デジタル売上高比率は17ポイント上昇して55.6%となりました。
デジタル市場は67.7%を占めるパッケージ版ソフトのダウンロード版売上が中心ですが、ダウンロード専用ソフトや追加コンテンツ、Nintendo Switch Online といったデジタル配信コンテンツの売上も伸びており、326億円を記録。前年同期のデジタル売上高全体を上回る規模となっています。
4-6月は『ポケットモンスター ソード・シールド』の追加コンテンツ『ポケットモンスター ソード・シールド エキスパンション・パス』の第1弾弾「鎧の孤島」がリリースされ、追加コンテンツの販売が増加。
また、インディータイトルをはじめとしてパッケージ版が販売されていないダウンロード専⽤ソフトの販売が伸びたほか、Nintendo Switch Online の売上も順調に推移しました。
※デジタル売上高の計上の仕方に関して、任天堂は次のように説明しています。
- 原則として、⾃社ソフトウェアはグロスで計上(総額表⽰)し、他社ソフトウェアはネットで売上計上(純額表⽰)
- 他社ソフトウェアはソフトメーカー等との契約に基づき、任天堂が受け取る販売⼿数料を売上として認識し、計上
モバイル・IP関連収入
モバイル・IP関連収入等の売上高は、前年同期比33%増の132億円でした。『あつまれ どうぶつの森』効果で『どうぶつの森 ポケットキャンプ』のエンゲージメントやアクティブ、売上が過去最大規模になったほか、『マリオカート ツアー』も順調に推移しました。
通期予想は今のところ変更なし
大きく上振れした任天堂のQ1決算ですが、通期の業績予想は今のところ変更なし。減収減益という慎重な見方を据え置きました。
新型コロナウイルスの影響は見通せない面もあるものの、Nintendo Switch の生産状況はおおむね回復しており、通期では需要に応じた供給量を確保できるとしています。開発中のソフトに関しても予定通り発売できそうだとしています。