イギリスのEU離脱決定、任天堂は「円高が続けば収益に影響が出る可能性」


 

イギリスで6月23日に行われた、欧州連合(EU)からの離脱の是非を問う国民投票。僅差で離脱派が勝利し、為替や株式市場にも影響が出ました。任天堂の君島社長は今回の国民投票の結果を受けて、円高が続けば為替差損が発生し、任天堂の収益にも影響が出る可能性があるとして、動向を十分注視していきたいと語りました。

 現在、離脱という投票結果を受けて、株式市場や金融市場が不安定な状況になっています。EUからの離脱の決定、また手続きが進められていく中で徐々に金融市場なり、為替相場が収斂(しゅうれん)していくとは思いますが、今の段階では円高に動いていることは明らかです。

 その面において任天堂の保有する外貨資産の評価は前期末に比べて円高に進むと為替差損が発生し、収益的に影響が出てくる可能性があると思います。今後、どのような状況になるのか十分に注意して見ていきたいと思います。

 その他想定される影響は、当社はイギリスに拠点を置き、そこで販売をしています。税制面、商品に対する安全規格やルール、個人情報の保護など、さまざまな取り決めがヨーロッパの中で一つのEUとして成り立っていますが、(EUからイギリスが離脱することになった場合)どのようにその取り決めが変更されるのか、まだまったくわからない状況です。今後の動向を十分注視していきながら、適切に対応するよう準備を進めていくことが、当面の対応だと考えています。
 
via: 2016年6月29日(水)第76期 定時株主総会 質疑応答

任天堂は今期の想定レートを1ドル110円、1ユーロ125円に設定。ジリジリと円高傾向になっていた中で、イギリス国民投票の結果を受けてドルは8円ほど、ユーロは10円ほど想定より円高に振れています。

円高が長引けば海外売上に頼る任天堂の業績が下振れする可能性は高くなりますし、「NX」の立ち上げ時に為替が大幅に円高にならないという前提が崩れます。

 ただ、注意しないといけないのは、EUからイギリスが離脱するという問題です。今後、為替相場がどうなるかはまだよくわからないですが、もし円高がこのような状態で続けば、海外売上高が全体の7割以上を占める当社においては、売上高や利益の面で影響を受ける可能性があります。

via: 2016年6月29日(水)第76期 定時株主総会 質疑応答

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