スペイン人はなぜ小さいのにサッカーが強いのか
ワールドカップで日本が勝つためのヒント
村松 尚登 (著)
出版社: ソフトバンククリエイティブ
著者は大学卒業後スペインへ渡り、現地でライセンスを取得して、現在はFCバルセロナスクール福岡校でコーチを務める村松 尚登さん。体格では日本人とそれほど差の無いスペイン人のサッカーを見ながら、日本人も、もっとサッカーを上手くなれるのではないか?と言うことが書かれています。
- 目次
- 第1章 スペインはなぜユーロ2008を制することができたのか
(体格差を補う戦術と弱点を補う精神構造、スペイン代表の躍進を促す国内サッカー事情) - 第2章 強く美しいサッカーの源流・FCバルセロナの世界観
(ヨーロッパ王座奪還の舞台裏、育成現場にあるスペインサッカーの秘密) - 第 3章 リフティングはうまいが、サッカーが下手な日本人
(日本のサッカー、サッカーの本質) - 第4章 日本サッカーが世界で勝つためのヒント
(未来へのヒント、サッカーの本質を探る)
前半はスペインのサッカーについて。後半は日本サッカーの問題点について書かれています。ボールを扱う技術はあるけれど、欧州人から見るとサッカーは下手だとされる日本人。
それは攻守が分断された野球式の要素毎にスポイルされたトレーニングを、日本人は無意識に行っているからだとされています。そうではなくて、サッカーで伴う「状況判断」を伴った練習を行わなくては、サッカーの上達は無いそうだ。うーん、確かにプロの練習を見ても散見されます。
練習にまで無意識に行われていると言うことはそれだけ野球が日本で普及しているってことなんだろうけれど、フィジカルコンタクトのあるサッカーにおいてはその練習方法では先がない。
スペイン人とほぼ同様の体格であり、彼ら以上に勤勉な日本人。現在の要素毎に分断された練習方法ではなく、適切な指導体系と試合経験の機会を確立出来さえすれば、もっと上達出来るのではないか?と著者は考えているんですね。日本独自のサッカースタイルを確立するためには、戦術理論だけではなく日々の練習方法を見直していく必要がどうやらあるようです。スタートの段階でベクトルがずれているんだなあ。
気になった言葉。
まずはもう一度、「私たちはサッカーというスポーツを本当に知っているのか」を再考する必要があるのではないでしょうか。
『サッカーとはカオスであり、かつフラクタルである』―ヴィトル・フラデ教授
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