任天堂が、国内では 2014 年 12 月 6 日に発売を開始したゲーム連動フィギュア(およびカード)『amiibo (アミーボ)』を紹介します。
フィギュアの台座にNFC(近距離無線通信)機能が搭載されていて、それを用いてデータを読み書きし、ゲームと連動する仕組み。
海外では Activision Blizzard の『Skylanders』シリーズによって「Toys-to-Life」(おもちゃに命を吹き込む)カテゴリーが生まれ、1つの巨大な市場となりました。『amiibo』もこのジャンルに該当します。
このページでは『amiibo』の特徴や、ゲームとどう連動するのかを紹介しています。
amiibo (アミーボ) とは
『amiibo』は、ゲームと繋がり連動する、NFC機能内蔵のキャラクターフィギュア(およびカードやあみぐるみなど)の総称。
正式名称が決定していなかった発表当時は、NFP(NFCを活用したプラットフォーム、Nintendo Figurine Platformに由来)という開発コードで呼ばれていました。
対応ソフト第1弾は『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』。対応ソフトは2017年3月時点で45タイトル。種類は12シリーズ、100体以上が発売されています。
名前の由来
ちなみに、『amiibo』という名称は造語で、フランス語で「友達」を意味する「ami」から来ているそうです。スペイン語の友達を意味する「アミーゴ amigo」「アミーガ amiga」も近いですが、関連は不明。いずれにしてもプレイヤーとゲーム、ゲームキャラクターをより近づけてくれる存在としての意味が込められていそう。
[岩田]amiiboという名前の由来は、amiiはフランス語で友達を意味するamiから来ています。いろいろなゲームがamiibo対応になる予定ですが、スマブラでは、自分だけのキャラクターを育成する遊びが楽しめます。#NintendoE3JP
— 任天堂株式会社 (@Nintendo) 2014年6月10日
amiiboを使ってできること
対応するソフトであれば、プレイ時に Wii U GamePad や Newニンテンドー3DS など対応端末の NFC エリアへ『amiibo』をかざすことで、ゲームごとに様々な効果を体験可能。キャラクターにちなんだ特別なアイテムをもらえたり、専用のゲームモードで遊ぶことができたり、連動内容は多岐に渡ります。
旧ニンテンドー3DS/3DS LL/2DSはそのままでは『amiibo』を使えませんが、『ニンテンドー3DS NFCリーダー/ライター』を使うことで対応します。
連動要素:たとえば『スマブラ 3DS/WiiU』の場合
『amiibo』を対応ソフトで使うとどんなことが起こるのか。
たとえば、第1弾ソフトの『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』の場合、amiiboを自分の代わりに戦わせ、成長させていくことで、自分だけのキャラクターに育てていく「フィギュアプレイヤー」を利用できます。
フィギュアやカード、あみぐるみと様々な形状で展開
『amiibo』は基本的にはフィギュアタイプですが、カードタイプのものやあみぐるみになっているものなど、様々な形状が発売されています。
フィギュア型
基本タイプといえる、最も多く発売されているのが「フィギュア型」です。『amiibo』は手作りに近い状態で作られていて、プラスチックを成形し、バラバラのパーツに色を塗り、最後にそれらを組み立てる大きく3つの工程で作成されています。
1300円程度で販売されるフィギュアとしてはよい品質に見えるのは人の手によるところが大きく、逆にそのために初期は品質にばらつきがあったり、量産化されたとはいえ、いったん品切れになってしまうと再入荷まで時間がかかってしまうこともありました。
カード型
2015年7月、3DS 用ソフト『どうぶつの森 ハッピーホームデザイナー』とともに発売されたのがカードタイプの『amiibo』。カード型はフィギュアより1枚あたりの価格が安く(1パック3枚入りで300円)、多数のどうぶつたちが登場する『どうぶつの森』にピッタリ。
2017年3月、『マリオスポーツ スーパースターズ』シリーズが発売。
あみぐるみ型
2015年7月、Wii U 用ソフト『ヨッシー ウールワールド』に合わせて制作されたのが、編みぐるみヨッシーの『amiibo』です。きっかけは、スタッフの手作りあみぐるみヨッシー。このゲームはあみぐるみのヨッシーが毛糸の世界を冒険するという設定のため、それに合わせて『amiibo』もプラスチックのフィギュアではなくあみぐるみの姿に。その為、通常の『amiibo』よりも若干高め。
「よみかき」と「よみこみ」
『amiibo』がゲームと連動する方法は2種類あります。『amiibo』に登録されているデータをソフトに読み込ませる「よみこみ」と、『amiibo』にプレイ結果を書き込んだり(データの保存)、書き込んだデータをソフトに読み込ませたりする「よみかき」です。
仕様:保存可能なデータは1体につき1つ
『amiibo』に書き込めるデータは非常に小さく、1体に書き込めるソフトのデータは1つのみ。
たとえば、『スマブラ3DS/WiiU』のデータが書き込まれた「マリオ」の『amiibo』は、『マリオパーティ10』の書き込み機能を使うことができません。もう1体対応キャラクターを購入するか、Wii U や 3DS の設定からデータを消去する必要があります。
ただし、「よみこみ」機能にのみ対応する場合は他のソフトでも使用可能。たとえば、『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』のデータが書き込まれた『amiibo マリオ』であっても、『マリオカート8』で読み込めばマリオのレーシングスーツを取得できます。ちなみにほとんどのソフトの対応機能はこの「よみこみ」となっています。
amiibo 展開の狙い:任天堂キャラクターを知るきっかけにも
『amiibo』は、任天堂が目指している「キャラクターIPの積極的な活用」を行う事業の1つ。これまでの任天堂製品の売り場で見られた、ゲーム機やソフトのパッケージといった類のものに加えて、任天堂のキャラクターフィギュアが展示、陳列されることによる露出拡大で、任天堂キャラクターIPを知ってもらう、ゲームに触れるきっかけになるとも考えられています。
またゲーム機と比べて販売価格が手頃であるため、少しずつ買い足すなど任天堂との継続的な繋がりに貢献するのではとの期待もあります。
新型ゲーム機 Nintendo Switch にも対応
ゲーム業界のトレンドの移り変わりは早く、トイ連動ゲームの「Toys-to-Life」カテゴリーは 2016 年、撤退するメーカーが出るなど厳しい 1 年となりました。
そうした中でも任天堂は、新世代に入る Nintendo Switch へ移行した後も『amiibo』展開の継続を選択。引き続き、新作タイトルや新しい『amiibo』などで新しい遊びを提案してくれます。