『どうぶつの森』の任天堂・京極氏が語る『amibo』対応スピンオフ2タイトルの特徴や魅力、そして本編の将来など


 

2012年末の3DS『とびだせ どうぶつの森』から2年半。そろそろ本編新作も待ち遠しいかぎりではあるのですが、2015年はシリーズから『amiibo』対応のスピンオフが2作品、『どうぶつの森 ハッピーホームデザイナー』『どうぶつの森 amiiboフェスティバル』が発売されます。

『amiibo』との連携を強く意識したこれらのスピンオフですが、USgamerのインタビューで任天堂の京極あや氏が、『どうぶつの森』と『amiibo』の相性や連動要素、シリーズの将来について語っています。

  • 昨年は江口氏と2人でインタビューに受け答えしていたが、今年は京極氏がメインで回答。江口氏は一歩引いてオブザーバーのような立場に。
  • 2タイトルはいずれも本編のスピンオフで、『どうぶつの森』チームが担当している。注力していることの1つは『amiibo』『amiiboカード』を使ってどんなゲーム体験を作り出せるか。過去作品にとらわれないアプローチを目指した。『amiibo』を使った新しい『どうぶつの森』のゲーム体験を提案するのがこの2タイトル。
  • 『amiiboフェスティバル』では、従来のむらびとではなくどうぶつを操作することになる。村そのものがボードゲームの舞台。1ターンで1日を消化。
  • 例えば、日曜日にはカブリバがやってきてカブを購入できる。6月には釣り大会などシリーズでおなじみの要素が数多く収録され、進行状況によってイベントが発生する。秋には葉が散り、冬には雪がふるなど四季の変化ももちろん見ることができる。
  • 同じパーティゲームジャンルである『マリオパーティ』との違いについて。『マリオパーティ』はボードゲームの中のミニゲームが特徴になっているが、『amiiboフェスティバル』はボードゲームで遊ぶことそれ自体にフォーカスしている。ミニゲームには焦点を当てていない。『どうぶつの森』シリーズで人気だったり欠かせない要素がたくさん詰まっていて、それがこのゲームの非常にユニークな特徴となっている。
  • コミュニケーション要素について。『amiiboフェスティバル』は据置向けのゲームなので、皆がゲームに向かって遊ぶ。家族や友達と遊び、直接コミュニケーションを取ることになる。
  • 『ハッピーホームデザイナー』は、異なるコミュニケーション形態。どうぶつからのリクエストを受けてコーディネートするが、膨大な家具のカタログがある。学校やカフェといったテーマが同じであっても、同一のデザインになることは難しいと思っている。プレイヤーの好みやデザインセンスによって、全く異なる結果になる。
  • たとえば、開発チーム内で「学校」をテーマに試してみたが、一般的なイメージの小学校や高校を作る人がいた一方で、工業学校だったりバケーショナルスクールのような異なるアプローチも少なくなかった。スーパーヒーロー養成所のような人もいた。誰もが自分の中の“学校”を持っている。
  • TwitterやMiiverse、その他SNSを通じてスクリーンショットを共有出来る機能を用意していて、画像を見せ合うことで起こる楽しいワクワク感を目指している。互いに刺激しあうための間接的なコミュニケーション。
  • 『amiibo』が先か、ゲームが先か。開発チームは『amiibo どうぶつの森』を欲しいと考えていて、会社に働きかけるため対応ゲーム(amiiboフェスティバル)を制作。『amiibo』は単なるフィギュアではなく、最も重要なのはゲームとリンクしたり繋がったりすること。インタラクティブなフィギュア。
  • 『amiiboフェスティバル』には『amiiboカード』を使って遊ぶミニゲームも収録。『amiiboカード』を使用して好きな動物を村に住まわせることもできる。『ハッピーホームデザイナー』の家データがあれば、どうぶつに加えて家もゲーム内に再現される。
  • 『amiibo』の魅力は複数のゲームに対応できること。『どうぶつの森』の『amibo』を購入したいユーザーは、他タイトルでも使えると嬉しいと思うし、今後につなげていきたい。以前にカードe+も経験しており、『どうぶつの森』と拡張は相性がいいと考えている。
  • 『とびだせ どうぶつの森』を『amiibo』に対応したり、DLC展開する計画は現在は無いが、『ぶつ森』の開発は続いていくので、今後のシリーズタイトルで『amiibo』に対応していきたい。
  • 『ハッピーホームデザイナー』の目標、楽しみ方。家づくりや完成した家を見ることは『どうぶつの森』シリーズにとって楽しい機能の1つ。ただ従来の『どうぶつの森』だと、自分の生活の一部として家づくりがあった。あるイメージで作りたくても、家具集めが難しいなどいささか限定的だった。
  • 『ハッピーホームデザイナー』は『どうぶつの森』の楽しさの1つである家づくりを、どうぶつのために行う。それはまた従来とは異なる種類の楽しさがある。
  • 『ハッピーホームデザイナー』はどうぶつたちのリクエストに応えるばかりに見えるかもしれないが、実際のゲーム上では、どうぶつたちのリクエストは、各プレイヤーのクリエイティビティを発揮するために用意されたステージのようなもの。チームは場を提供したいと考えた。
  • 『ハッピーホームデザイナー』で利用可能なあらゆる家具類は、あなたが取り組むアート作品を作る上でのツール。家具を集めることへ本作はフォーカスしていないが、与えられたコンセプトやテーマの中で自身のユニークさやオリジナリティを発揮するために、いかに家具を使いこなすかが重要となる。たとえば、一口に“学校”といっても工夫1つであなただけの学校になる。
  • 今回は本編からのスピンオフで、本編の持つ要素の1つに着目したもの。魅力の1つを自由度高く楽しめるようになっている。たとえば『ハッピーホームデザイナー』では、これまでは実現しなかった全ての家具を使用し、タッチスクリーンで細かく配置できる、より自由な家づくりをとことん楽しめる。
  • 任天堂はシリーズを開発し続け、その時のハードやシステムの機能を使うことになるだろうが、ゲームプレイはその時々に応じた楽しいものになると思う。オープンで自由な考えのもと、その環境でベストな形に仕上げたい。
  • 『ハッピーホームデザイナー』や『amiiboフェスティバル』では異なるアプローチをしているが、必ずしもシリーズの今後を示すものではない。シリーズの進化やアイデアを考える中で生まれたまた別の体験。『どうぶつの森』である上で普遍的なのは、プレイヤー同士のコミュニケーションを促すことができるコミュニケーションのアイデア。シリーズ作品を作る上でそれを常に大切にしている。

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