ビッグデータをどう活用していく?クラブニンテンドーの新たなシステム特許


 

任天堂が、より円滑にクラブニンテンドーを活用していくために、新たな登録システムの導入を検討しているようだと、出願特許から明らかになりました。シリアルナンバー用紙を廃止し、箱の右部に印刷されるようになる?とのこと。


新システムでは用紙を廃止することで、コード紛失や登録漏れの可能性を減らし、より多くの人が任天堂製品をクラブニンテンドーへ登録することを期待されています。

外観にコードを印刷することで不正行為につながる可能性がありますが、任天堂は小売店と連携し、購入情報データを使用することで、全ての販売情報をトラッキングする仕組みを構築。商品の販売情報はデータベースへ送られ、この情報から任天堂は合法的に販売されたかどうかを知ることができるとされています。

不正な重複登録があるアカウントにはフラグが付けられ(たとえば、小売店の従業員が、顧客へ販売した際にシリアルナンバーをコピーし、顧客よりも先に登録するなど)、取り消される可能性があります。

ポイントを登録した後で商品を返品した場合、該当する製品のクラブニンテンドーポイントはアカウントから消去されます。あるいは、既にポイントを消費してしまった場合、製品の返品は認められません。このシステムは、スキャンやシリアルナンバーの報告を処理するために、各販売店で必要になります。

このシステムの特許はアメリカでの話で、日本でこの仕組みが導入されるのかどうかは不明ですが、任天堂はWii Uのニンテンドーネットワークで個人アカウント制を導入していく事を発表しており、クラブニンテンドーと購入情報はより強く紐付けされるようになる見込みです。

まとめてみると、
小売店が販売情報をデータベースへ送信し、任天堂はその情報から合法な販売をなされたかどうかを確認。顧客はクラニンメンバーとなり、コードを入力。すると任天堂からコードに応じたポイントを付与される仕組み。

データベースへ集約されるビッグデータを活用した新サービスが用意されているんでしょうかね。思いつくところでは、というか思い出したところでは、2012年1月の決算説明会の質疑応答で、マッチングに関する質問を受けた岩田社長は

みなさんがよくご存じのところで言えば、例えばAmazon.comで「この商品を買った人はこんな商品も買っています」とあると、つい購入ボタンを押してしまう、ということを経験された方は多いと思います。

私もそのひとりなんですけれども、そういうことがビデオゲームの分野ではどうあるべきなのかと考えますと、私は「この商品を買った人はこんな商品も買っています」だけでは実は不十分だと思っています。「この商品を非常に気に入った人はこの商品に対しても非常に高い評価をしています」という方が、ずっと有用な情報だと思っていますから、そういう情報をいかにお客様に届けるか。

そして、もう一つは、熱心に情報を集められる方は、何階層先にあっても探してその情報を見てくださるのですが、熱心に情報を集めておられないお客様にとっては、表面に無いものは無いのと一緒でありますので、1ステップあるだけでお客様に伝わらないんだということを踏まえてしっかりやりたいと思っています。

これは日本以外の地域に商品を出していく、あるいは今までゲーム機が売れていなかった地域の市場開拓をしていくという点においても非常に重要な考え方だと思っていまして、私たちが今Wii Uに向けて準備していることというのは、そういう提案の最初の一歩は踏み出せる状態でなにがしかご提案ができるのではないか、というくらいは準備しているつもりです。

しかし、先ほど申し上げた通り、これに対して正しい答えを出した人は、未来のデジタルビジネスにおいて極めて有利な立場になるといって差し支えないぐらい重要なポイントだと思っていますので、一度でドンピシャの正解にたどり着けるとは思わずに、任天堂はどちらかというと「パッケージソフトをポンと出して、あとは知らないという方が得意で、持続的にビジネスをすることはあんまり得意じゃないのではないか」と感じておられる方が多いのではないかという気がするのですが、ネットワークの分野というのは実は「継続こそが力なり」で、毎日上がってきたデータをどう活かして次に反映するかということをどれだけデイリーで回せるかがカギだと思っていますから、そういうことができるようになる姿を近い将来お見せしたいと思います。

2012年1月27日(金)経営方針説明会 / 第3四半期決算説明会 – 質疑応答

と述べており、今回の新システムもその準備の一環なのかなあと考えてみたり。

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