カービィ30周年はカービィにとってもファンにとっても非常に忙しい年となりました。
最新作にして初の 3D アクションとなった『星のカービィ ディスカバリー』にはじまり『カービィのグルメフェス』、締めくくりには『星のカービィ Wii デラックス』と 12 か月の間に 3 つのカービィタイトルがリリース。さらに Nintendo Switch Online でもゲームボーイ時代のタイトルを遊べるようになりました。
新旧タイトルで自由に動き回るカービィ。シリーズの今後にも注目が集まっています。
リメイクのためのリメイクは行わない
直近の『星のカービィ Wii デラックス』は、2011年に Wii で発売された『星のカービィ Wii』のNintendo Switch版。ミニゲームを遊べる「わいわいマホロアランド」や新エピソード「マホロアエピローグ」を収録するなど、単なる HD 移植/リマスターにとどまらない追加要素てんこ盛りの“デラックス“バージョンです。
これ以外にも過去『星のカービィ 夢の泉デラックス』や『星のカービィ ウルトラスーパーデラックス』など複数作品でリメイクが発売されているカービィですが、その都度多くの新しい体験が盛り込まれてきました。
ハル研究所がカービィタイトルをリメイクする場合には、元のゲームの単純移植のような形ではなく、なにか新しいものを追加することが条件となっているそうです。
海外メディア IGN の取材に応じた、カービィシリーズを統括するハル研究所の熊崎信也氏はカービィの今後について、具体的な計画を今話すことはできないとした上で、ハル研究所の目標はいつもプレイヤーに対して「新たなゲームプレイ体験を提供すること」だとコメントしています。
リメイクの要望が多いのはゲームキューブで発売された『カービィのエアライド』ですね。カービィがエアライドマシンと呼ばれる乗り物を操ってコースを駆けめぐるアクションレースゲームです。派生作品で高く評価された『毛糸のカービィ』や、ニンテンドーDS/3DSで発売され現在では遊ぶ環境を揃えにくくなっているタイトルも見てみたいところ。
今後のカービィタイトルは 3D 路線に?2Dも?
『星のカービィ ディスカバリー』はセールス面でも評価面でも成功を収めました。今後のカービィタイトルは 3D へ移行するのでしょうか。あるいは『星のカービィ スターアライズ』や『星のカービィ Wii デラックス』のような従来の 2D 路線も並行して続いていく?
この質問について熊崎氏は明言を避けましたが 2D アクションや 3D アクションはもちろん、まったく別物の可能性すらハル研究所の今後において範囲内であるそう。カービィはそれだけのポテンシャルを秘めています。
その能力や丸い体型を活かして様々なジャンルに挑戦し続けてきたカービィ。3D アクションも手に入れて次はどこへ向かうのか。熊崎氏はカービィの未来に対する想いを込めた、ささやかなヒントを提供してくれています。
「『星のカービィ ディスカバリー』を遊んでくれた方なら体験したかと思いますが、(ディスカバリーのフィールドは)完全なオープンワールドではありません。3D でありながら、2Dの『星のカービィ』が持つ遊び心や間口の広さを継承したゲームです。それこそが私たちが提供したいユニークな 3D 体験です。今後も、必ずしも既存のジャンルの枠にとらわれることなく、ユニークな 3D 体験を提供し続けたいと思っています」