元任天堂アメリカ社長が語る『F-ZERO』新作の可能性「放棄したとは思わない」


F-ZERO X

 

多くの人気シリーズを抱える任天堂。定期的に新作が発売されるいわゆる定番シリーズがあれば、残念ながら長期に渡って新作が途絶えてしまうシリーズもあります。新作が待ち望まれている任天堂タイトルのひとつに『F-ZERO』シリーズがあります。

シリーズは据置型ゲーム機ではニンテンドーゲームキューブ向けに発売された 2003 年の『F-ZERO GX』、携帯型ゲーム機では 2004 年のゲームボーイアドバンス用ソフト『F-ZERO CLIMAX』を最後に、20 年近く休眠状態。

Wii やニンテンドー DS 以降、なぜ『F-ZERO』は新作が発売されなくなってしまったのか。

2003 年に任天堂に入社し、2006 年から 2019 年まで任天堂アメリカの社長を努めたレジナルド・フィサメィ(レジー)氏が彼なりの考えを述べています。

レジー氏は「なぜ『F-ZERO』は任天堂から見捨てられてしまったのか?」という質問に対し、次のようにコメント。少なくとも彼の在職期間中には、任天堂が意識的に特定フランチャイズのサポートをやめることは決してなかったといいます。つまり『F-ZERO』新作も可能性としてはあったと。

「少なくとも私の在職期間中、任天堂の開発者は常に様々な異なるゲームプレイスタイルを試行錯誤し、ユニークな体験を還元する場所を常に考えていました。それは既存のフランチャイズに向けたものでもあるし、あるいは新しいフランチャイズを生み出すことも考えていました。きっと京都の開発部署には、『F-ZERO』に応用できるアイデアを考えている開発者がいるのだろうと確信しています。会社が特定フランチャイズのサポートを継続しないと意識的に決定することは、少なくとも自分の経験の中ではありません。歴史的に見て、私がいたころはそうではありませんでした」

任天堂の開発者も『F-ZERO』シリーズを見捨ててはいない一方で、新作にはやはり新たにユニークな体験が必要であると考えています。『F-ZERO』の生みの親の一人である今村孝矢氏(2021年に任天堂を退社)は、復活には“まったく新しいアイデア”が必要だと語り、宮本茂氏もまた新作足り得るアイデアが必要だとのコメントを残しています。

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