装着率9割との調査報告もある、Nintendo Switch ハードを強烈に牽引する『ゼルダの伝説』シリーズ最新作『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』。
これまでの当たり前を見直し、新たなゼルダを作り上げた開発の裏側に迫る任天堂公式インタビュー映像「THE MAKING OF ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」が3本公開されています。
映像はそれぞれ10分以上、計30分以上のボリュームとなっていて、2Dプロトタイプや藤林ディレクターの京都をベースにした話なども含まれています。また残念ながら製品版には収録されなかったボツアイデアや、現代的な服装をしているリンク等のコンセプトアートも盛り沢山。ただ、若干のネタバレ映像を含む内容となっており、遊ぶ前に見るのは少々注意が必要です。
映像には青沼英二氏(総合プロデューサー)、藤林秀麿氏(ディレクター)、滝澤智氏(アートディレクター)、堂田卓宏氏(テクニカルディレクター)、若井淑氏(サウンドディレクター)の5人が登場。
THE MAKING OF ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド
開発のはじまり
まずは「開発のはじまり」篇ですが、この映像では “ゼルダの当たり前を見直す” をコンセプトに開発が進められた『ブレス オブ ザ ワイルド』が、どのようにして今の形に収まっていったのかが紹介。
開発初期の様々なコンセプトアートの中には、宇宙からUFOが侵略してくるようなおおよそゼルダらしくないもの、巨大兵器が戦う間をリンクが駆け抜けていく様子など、チーム内で自由な提案があったことも明らかにされています。
またここでは初代風のドット絵で制作された2Dプロトタイプも見ることができます。
ストーリー/キャラクター
「ストーリー/キャラクター」篇では、オープンワールドとなった『BotW』でどのようにストーリーを展開させていくのかであったり、登場人物について紹介。ゲームがオープンワールド化して、ユーザーごとにアプローチするタイミングが異なる中で、あくまで遊びを優先し、従来のようなシナリオの進めかたをせず工夫を凝らした話がされています。
『BotW』を代表する敵キャラの1体である「ガーディアン」について青沼氏は、初代『ゼルダの伝説』に登場する「オクタロック」が、発想のヒントとしてあったことを明かします。
当時のゲーム内では、リンクと同サイズ(1マス)に記号化されているオクタロックですが、実はもっと巨大に思っていたと青沼氏。より大きく、そしてあのトリッキーな動きをする敵をイメージしたキャラをオーダーした結果、生まれた敵キャラがあの姿をした「ガーディアン」。ただ、ビームを撃ったりするまでのキャラになるとは思っていなかったそうですが。
最終的に収録はされなかったものの、『ふしぎのぼうし』(GBA, 2004年)のような小人のアイデアもあったのだそう。遊びとしてはやりたいアイデアだったそうですが、他キャラとのバランスでなくなくカットとなってしまいました。
またこの映像では、普段はなかなかお目にかかれないたくさんのコンセプトアートを見ることができます。
オープンエア
「オープンエア」篇では、オープンワールド化した『BotW』の、広大なフィールド、本作では “オープンエア” と呼ばれている大地に焦点をあてて説明。
青沼氏はオープンワールド化について、『スカイウォードソード』(Wii, 2011年)で、降りていけるエリアとエリアのつながっている部分に本当は行きたかったけれども、行けなかったところに悔いが残っていると述べ、ゼルダユーザーの好奇心、探究心に応えたかったとコメント。構想としては『風のタクト』(NGC, 2002年)からあり、開発環境だったり環境等の条件が整ったことで『BotW』で実現しました。
またこの映像では、遊びやすい世界のサイズを決める時に、藤林ディレクターが京都の地形を参考にした話が出てきます。最終的には『トワイライトプリンセス』の12倍くらいのサイズになっているのだそう。その他、物理エンジンで幅が広がったバトルや、自然環境を引き立たせるBGMやこだわりの効果音といった話が収録。
『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は Nintendo Switch と Wii U で発売中。夏と冬には今作の体験を拡張する追加コンテンツの配信も予定されています。
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