任天堂の宮本茂氏が、家庭用ゲームにおける「VR (仮想現実)」のゲームプレイについて、 TIME のインタビューの中でコメント。専用デバイスの一般発売も始まっている中で、宮本氏がまだ心配に感じているVRの問題点とは。
「VRでオンライン空間に一緒にいるという面では、問題の多くは解決したか、あるいは解決され出しているんだと思います。これは任天堂が研究している分野でもあります。
ですがVRで遊んでいる人を見ると、まだ気がかりなことも残っていて。例えば、子どもが(VR HMDを付けて)VRを遊んでいる姿を見たら、親はどう思うでしょうか。おそらく心配になるのでは」
また宮本氏はそれとは別のVR開発における問題と課題として、「どのようにして短時間で、それでいて作り込まれた体験を作り上げるか」という点も挙げています。
2014年当時からVR技術には興味、ただし任天堂のホームコンソールの方針とは対照的
宮本氏は2014年6月にも TIME からVR分野への関心を訊かれ、ゲームデザイナーとして、また任天堂としてVR技術への興味・関心を持っていることを明かしています。
ただし、ヘッドマウントディスプレイを装着して遊ぶ現在の VR ゲームプレイは、リビングルームで遊んでいる人だけでなく見ている人も楽めることを目指す任天堂のホームコンソールの方針とは対照的だとコメント。
任天堂的な観点から見れば、1人で遊ぶというよりも、ゲームセンターのような環境で遊ぶ娯楽に適しているのではないかとしていました。
今回のインタビューはこの2014年当時からVRの見方に変化があったかを訊かれたもので、前進している部分ももちろんあるものの、任天堂が取り組む分野としては、まだデバイスの形状や遊び方のデザイン、あるいは家庭における認知度に課題を残しているとの認識。
VR の研究は進めている
一方で任天堂の君島社長は、2016年 Q3 決算報告の中で任天堂が VR の研究を進めていることを明かしています。Nintendo Switch は VR に十分な性能を備えているとして、3D酔いなどゲームプレイ面での課題が解決できれば、何らかの形で対応したい意向を表明しています。