【U-NEXT】「Paravi」と統合、両社サービス利用者への影響は

国内動画配信大手の「U-NEXT」は、「Paravi（パラビ）」を運営するプレミアム・プラットフォーム・ジャパン（PPJ）を、2023年3月31日付で合併すると発表しました。U-NEXTが存続会社となります。両社の売上高は合算で約800億円、有料会員数は370万人以上（うちU-NEXTで285万人）、配信コンテンツは35万本以上を擁する国内勢として最大動画配信プラットフォームとなります。

Paravi はTBSホールディングス・日本経済新聞社・テレビ東京ホールディングス・WOWOW・電通グループ・博報堂DYメディアパートナーズが共同で2017年7月に設立したPPJが2018年4月より運営する動画配信サービス。TBSやテレビ東京、WOWOWのコンテンツを幅広く提供しています。

強みは国内ドラマで、日本最大級のアーカイブ数を誇ります。他にもバラエティやアニメ、スポーツ、ビジネス、映画など多彩なコンテンツを提供しています。サービスプランの「Paraviベーシックプラン」は月額利用料金1,017円（税込）。

デジタルコンテンツ協会によると動画配信サービスの国内市場規模は2021年時点で4,230億円にまで拡大。前年比14％増と二桁成長を続けています。一方でNetflixやAmazonプライムビデオ、Disney+など外資系動画配信サービスをはじめ競争はいっそう激しく生き残りが難しくなっています。

国内勢として唯一成長を続ける U-NEXT が Paravi を取り込みネット系と放送系両社の強みをいかして相乗効果を発揮し、生き残りを狙います。

両社は合併後、7月をめどにサービスを統合する予定。

U-NEXT・Paraviが合併、利用者への影響は？

U-NEXT ユーザー

U-NEXT のユーザーは7月から U-NEXT 内に Paravi サービスが移管して以降も、現行の月額プラン料金そのまま利用可能。U-NEXTコンテンツに加えてParaviコンテンツも視聴できるようになります。今後シナジーを生かしたさらに強力なラインナップが提供予定。

Paravi ユーザー

Paravi ユーザーもそのまま Paraviを今まで通り視聴できる見込み。現在提供されているコンテンツは引き続き視聴可能です。2023年６月末までは現行のアプリやWebブラウザーで視聴でき、U-NEXT 内に PAravi サービスが移管された以降も、当面は現行料金のまま Paravi と U-NEXT のコンテンツを利用できます（一部対象外のジャンルあり）。

Paraviの利用規約およびプライバシーポリシーにつきましては 4 月 1 日以降、提供主体が PPJ から U-NEXT へと変わり、引き続きユーザーに適用されます。なおサービスの移行や料金について ３ 月 31 日の経営統合以後もその都度、アプリやホームページ内などで案内するとのこと。

報道によると U-NEXT は今回の件にとどまらず、引き続き他のサービス事業者との連携も探っていくということです。

U-NEXT はParavi関係各社と業務提携

U-NEXTとPPJの経営統合を受けてさらなる事業価値の向上が見込まれるとの結論にいたったとのことで、U-NEXTとTBSホールディングス、TBSテレビ、テレビ東京との間で、それぞれコンテンツ調達やマス向けプロモーションに係る業務提携契約が締結。またU-NEXTと電通および博報堂DYメディアパートナーズとの間で、それぞれ動画配信プラットフォームを活用した広告などで業務提携契約を締結したということです。

連携の枠組みにはPPJに出資する日本経済新聞社やテレビ東京系列のテレビ大阪、テレビ愛知、TVQ九州放送、テレビ北海道も参画する予定とのこと。