スクウェア・エニックスが2022年11月7日に発表した2023年3月期第2四半期決算は、大型新作が少なく前年同期と比べ減収となりました。一方で 201 億円を超える為替差益の発生や、海外スタジオを一部 IP を含めて売却したことによるる関係会社株式売却益 94.6 億円が発生。これにより純利益は前年同期比72%増の 394.7 億円の減収増益となりました。
家庭用ゲームを含むデジタルエンタテインメント事業の売上高は前年同期比 9.5% 減の 117.2 億円、営業利益は16.6%マイナスの 246 億円でした。
2022年4-9月はHDゲーム分野において『ライブアライブ』や『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オフライン』などの新作が発売。しかしながら、『OUTRIDERS』や『NieR Replicant ver.1.22474487139…』を発売した前年と比較すると、新作タイトルによる収益は減少。これが響き HD ゲーム分野は前年同期で減収となりました。注目度の高い『Forspoken』『オクトパストラベラーII』などの新作で巻き返しを図りたいところ。
MMO 分野では『ファイナルファンタジーXIV』の月額課金会員数が増加。前年同期で増収となっています。
スマホ・PCなどでは8月に『鋼の錬金術師 MOBILE』がサービスを開始し好調な滑り出し。しかしながら既存タイトルの低迷を穴埋めするには至らず、減収となりました。
アミューズメント事業は既存店売上高が前年を大幅に上回るなど、好調。売上高は22.7%増の258.6億円、営業利益は289.9%増の25.5億円でした。出版事業も好調に推移。『その着せ替え人形は恋をする』の大ヒット等によりコミック単行本の売上が好調に推移し、デジタル・紙媒体の両方が増加したことから、前年同期比で増収増益となりました。売上高は3.8%増の146.9億円、営業利益は1.3%増の60.5億円でした。ライツ・プロパティ等事業は売上高28.0%増の74.3億円、営業利益は1.2%減の17.8億円でした。
2023年3月期通期の業績予想について、サプライチェーンの混乱や世界情勢が不安定な状況が続いていること、また為替市場も急激に変動していることなどから現時点での予測が困難と判断し非開示としています。