2009J2 第37節 コンサドーレ札幌 vs. 水戸ホーリーホック

前節36節はザスパ草津を相手に今期最多の5得点と攻撃陣が爆発し、アウェーで勝利したコンサドーレ札幌。つまらないミスから2失点と守備には不安を残したままですが、攻撃陣に関しては様々な攻めのパターンから得点し、上昇傾向にあります。ここまで無得点だった藤田も直接FKを決め、今季初得点。ようやくアタッカーとしてスタートラインに立ちました。

今節の相手は、いつのまにか攻撃的なチームへと変貌し、昇格圏から勝ち点5ポイント差の現在5位と好調な水戸ホーリーホック。前線の選手が細かく点を取る札幌に対して、水戸は高崎と荒田というFWの2人にボールを集め、そのFWが点を取ってくるサッカー。得点力のある彼らを意識しすぎると、前線との距離が空き、セカンドボールを拾われてしまうので、全体をコンパクトに保ちながら、攻撃に転じていきたいところです。

2009J2 第37節

コンサドーレ札幌 1 – 1 水戸ホーリーホック

■得点者:
札幌/51′ 西
水戸/63′ 吉原
■スターティングメンバー:
GK:高原
DF:西嶋 趙 石川 上里
MF:古田 西 ダニルソン 藤田
FW:宮澤 キリノ
■サブメンバー:
GK:荒谷
MF:芳賀 砂川 ハファエル
FW:中山
■交代選手:
68分:宮澤→ハファエル
78分:西→砂川
82分:古田→中山

中2日ということでコンディションの心配もありますが、札幌はベンチまで含めて前節と同じメンバー。この試合でも前節のような攻撃力を期待したいところでした。しかし、やはり疲労があるのか立ち上がりからボールが収まらずにちぐはぐな札幌イレブン。高崎、荒田と明確なターゲットがおり、札幌のDFラインの裏を執拗に攻めてくる水戸の前に苦しみます。パスミスが多く、相手の激しいプレッシャーもあって中盤の勝負でも後手を踏みました。

噛み合わないまま終えた前半

中盤でのボールの奪い合いは、集中した守備で見応えのある場合もあるのだけれど、この試合の札幌の場合、単純にミスが多くて自滅という場面ばかり。水戸の早いプレスというのもありましたが、それに必要以上に怯えた札幌の選手が自らチャンスを潰してピンチを招いてました。

攻守に起点として重要な存在となっているダニルソンも、ボール奪取する所まではさすがなのですが、そこからパスといったときにコースがずれたり、受け手と呼吸が合わないなど、この日はスムーズな攻撃を展開していくことが出来ません。

ボールの配球役としては他に中央に配置されている西と宮澤がいますが、西からはそれほど受け手の動きを考えたパスを出ませんし、宮澤もここ最近の不調を引きずったまま。決定的な仕事をしようとしすぎて確実に散らす事すら出来なくなってます。ここのトライアングルは代えがいないので、試合の中で何とかきっかけを掴んで立ち直ってもらいたいところです。

結局、藤田の突破(それも左足でクロスを上げるので最後は精度を欠いてしまっているのですが)であるとか、上里の思い切ったサイドチェンジくらいしか見所が無く、前半をシュート2本で終えてしまいました。勿論無得点で、決定的なチャンスも前半頭にキリノの足下へ入り過ぎたボールくらい。得点に繋がりそうな展開というのは水戸の方が多く、水戸ペースで進んでいるなあという展開。

新旧札幌の顔が揃い踏みした後半

後半に入っても、裏狙いを徹底して続ける水戸に対して、ボールを繋ぎながら相手を崩して得点しようという札幌の構図は変わらず。水戸は何度も札幌DFのオフサイドの網にかかりながら、しかしながら、スタイルを崩さずに荒田や高崎といった選手が常に裏を狙い続けていて怖い存在です。スピードではどうしてもあちらに分があるので、彼らの飛び出しを嫌気してラインを高く保つことが難しくなっていました。

対して札幌は、前半優位に立てた左サイドの藤田、上里の2人を積極的に使って組み立てていきます。しかし、サイドを崩してクロスは上げれども、中に人数が揃っていなかったり、そもそもクロスが精度を欠いていたりと決定的なチャンスとまではいきません。そして徐々にフェードアウトする上里。上里はもう少し判断を早くして欲しいなあ。

51分、右サイドで相手のカウンターになりそうなボールを奪ったソンファンがすぐに西嶋へ。西嶋もここから判断早く、ゴール前にいた西へグラウンダーの速いクロスを入れると、西が足を伸ばし、最後は相手に当たってコースが変わり、これが決まって札幌が先制。左サイドを意識させたところで右サイドからゴールが生まれました。

西嶋にボールが出ると、中央ですぐに動き出している西。こういった攻撃に関しての動き出し、嗅覚というのはやはり攻撃的な選手なんだなあと感じますね。シュートは当たり損ねでしたが、いいゴールでした。

ホームでようやく、何とか先制した札幌でしたが、水戸は1点で息絶えるようなチームではありません。厚別という慣れ親しんだ土地故か、リードされているのにやけにリラックスした表情でピッチに入ってきたのは旧札幌の顔・吉原宏太。62分に入ってきた吉原に63分、ファーストタッチで決められ、同点とされてしまいます。

この失点シーンは、その前に札幌DFのクリアミスがあって、そこを水戸に拾われてという流れだったのですが、吉原はずっとフリーだったんですよね。CBが前に釣られているのに、SBの上里も寄せが足りないし、この試合でもまたつまんないミスをやってしまいました。動き出しが良かったというのもありますが、あんなに自由にやらせるのはいくら何でも拙い。

他の場面でも、前に味方がいないのに簡単にボールを落としてピンチを招いていたりと、守備に関しては課題が修正されないままです。シーズンもここまで進んで、もはやコミュニケーションの問題だけでは片付けにくいと思いますよ。

そして、終了間際、フリーで放たれた砂川のヘッドは大きく枠外へ。脱力している間に試合は終了してしまいました。両チーム勝ち点3が欲しい試合でしたが、結果はドロー。攻撃陣が好調なチーム同士の対戦では、期待とは逆にロースコアになりがちですね。

交代策は不発

この所当たっていた監督の采配も、この日は不発。出来の悪かった宮澤は当然としても、西もその後下げてしまったことで、フォローの無くなったダニルソンは攻め上がりたい前線と裏狙いを怖がる守備陣との間で孤立し、広大なスペースを1人で担当することとなり、ボールを前線へ供給する事が出来なくなってしまいました。相手がロングボール主体だったとはいえ、攻守のバランスを崩しすぎたかなという印象です。

まあ、この試合はキリノに水戸キーパーが抱きついたり、中山のユニフォームがちぎれるほど引っ張られながらも、ノーファールでPKを取ってもらえないというジャッジの拙さで勝ちを逃した感もありました。しかし、それにしても中2日という日程と、相手のプレッシャーが少し厳しくなるだけで簡単に自分達のサッカーが出来なくなってしまうようでは。監督も話しているように上で通用するにはまだまだ甘いいう事なんでしょうね。

フィジカルコンタクトのある場面で、当たり負けですら転んだ方が得をする今のJリーグのジャッジ基準。実験的に下部リーグからでも見直して良いんじゃないだろうか。

穴をどう埋めるか

草津戦のレポでも書きましたが、攻撃的な位置でありながら守備力もかなり要求されている西と宮澤のポジション。現状のメンバーだと控えがいないのがかなり厳しいですね。上里でもいいんだろうけど、空中戦がやや弱くなってしまいますし。ハファエルはチェイスはするけど後ろにまでは戻ってこないFWのようなタイプなので、頭からは使いにくいと思います。悩ましい。一芸にそこそこ秀でた選手達を(逆に言うと足りない部分も多い)、監督がどうシステムを修正しながら融合させるのか。次の試合も見ていこうと思います。

それにしても、前半途中で足首?を痛めた石川と、後半途中、腰にニーキックをお見舞いされたキリノが心配ですね。軽傷だと良いんですが、2人ともまともに歩いていられないほど、痛んでいました。大丈夫かな?

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